流転(運動)の形態(1) 

流転(運動)の形態

 我々の生きるこの世は“虚無の実相”の世界です。と言っても分かりにくいのですが、物体という絶対的な物は存在しない世界なのです。実相世界と言っても、実相など本当は存在せず、この世は運動が奏でる見せ掛け上の物質世界に過ぎません。見せ掛け上のとは言っても、実相を有するように見えるものは必ず流転(運動)していますので、その陽化の直線運動も絶対的なものなのです。川がどんなに蛇行しても、また光がどんなに反射しても、彼らは戻ることなく直進の一途をたどっていると言う事なのです。

 ところで、先にお話したように川は輪廻しますが、それに対して光は輪廻せずに永久に直進していきます。どちらも後退せずに前進していく物なのですが、川の直進運動と光の直進運動とは運動形態そのものが異なります。この宇宙には一体どのような運動の種類が存在するのでしょうか?
 西欧科学では、この宇宙には大別して異なる二種類の運動形態が存在すると考え、直進運動と回転運動の二つを想定してきました。しかし、中世ルネッサンス時代に開花したニュートン力学は、これらの運動原理を表面的な数理解釈で現象を説明するための辻褄合わせの作業のみに止まり、運動の本源を解析することはありませんでした。彼らは直進運動や回転運動が示す物理性質を解析しただけで、運動そのものを生み出す力のメカニズムを追及したわけではありませんでした。結局、西欧科学はその出だしの一歩から底の浅い運動力学を打ち立てる結果となり、その軟弱な基礎土台の上に現在の応用物理が構築されています。一旦、基礎を踏み誤った迷走科学はどこまでいっても間違い科学でしかないのです。

 では、陰陽哲学で運動原理を解析する場合、一体どうような分析の仕方をするのでしょうか?ここでは、それについてお話したいと思います。物理学や数学があまり好きでない方も、重要な内容ですので少し我慢して読み進めて行ってください。

 まず、直進運動と回転運動はどちらが陰陽なのでしょうか?
解析手順の第一歩は親元となる陰を見定める所から始まります。宇宙が気の粒と呼ばれる最小粒子の集合体であると考えれば、その粒子がただ存在しているだけでは何も起こりませんし始まりません。まずはそれらの粒子が収縮して爆発的に拡散膨張する事によって宇宙がすると考えなければなりません。いわゆるビッグバンです。超密度に圧縮された一様な均一粒子が一斉に拡散運動(放射状直進運動)することが宇宙の始まりであるとすれば、そのはじめに誕生した運動は当然ながら直進運動です。この直進運動があらゆる運動の原型であり、その元初の姿といえます。もちろん、陰の直進運動が陽の回転運動を生み出すと考えるのが陰陽哲学の基本手法です。

 

(爆発的な拡散膨張と直進ベクトルのイメージ)

  では、単なる直進運動が一体どうやって回転運動を生産できるのでしょうか?

 

次回へ続く