陰陽派生(3)

 ところで、ビッグ・バン膨張の放射気流は大きなベクトル渦と小さな拡散渦を誕生させますが、その気流線そのものが真空の空間に拡散する際には、極小の拡散渦が大量発生します。これは強制拡散では無く自然拡散ですから、ベクトル渦や乱流渦の発生は無く、極めて一様で均等なサイズの拡散渦が誕生して来ます。当然、「分派形式」では無く、「分割形式」で発生しますから、均等に右巻き渦と左巻き渦が誕生して来る事になり、その激しい優劣差はミクロの世界でもちゃんと作用している事になります。左右が異なるこれらの双子渦は、生存する為に合体を余儀なくされ、陰陽合体して一つの物質となります。当然、それらの双子渦の腹の中には、この渦世界の主人公である二種の子渦(電子流)が誕生しており、後世の物質社会の主役を奏でます。

 一方、個々の銀河渦を分析すると、巨大ベクトル渦と比較すれば、それが角運動半径が小さい馬力のある強制渦であり、子渦(小銀河流)を生み出すばかりでなく、そのメインは渦巻きの渦線に沿ってランダムに発生する「乱流渦」の生産であり、サイズはまちまちですが、大量の太陽渦を発生させます。乱流発生は基本的に「分派形式」であり、一体どこの太陽系が長男なのか全く分かりませんが、銀河系内の太陽系は皆兄弟である事に変わりは有りません。また、銀河系の子渦である「小銀河渦」に関しては、銀河系の系内もしくは直ぐ外部に存在するチビ銀河で、独自の回転系を備えた星雲と呼ばれているものであり、外部ではマゼラン星雲、内部では百に近い数の星雲が存在します。これらは乱流渦ではなく、銀河の渦線が生み出すベクトル渦の一種です。

 渦の発生形式は主に二つ、一つは直進気流が生み出す左右の「ベクトル渦」、もう一つは回転気流が生み出す「乱流渦」であり、後者は双子発生(分割形式)では無く、分派形式を取るのが特徴です。爆発的に瞬間発生する「拡散渦」は、基本的にはベクトル渦の範疇であり、渦のサイズが一様であるのが特徴です。「分割方式」には激しい優劣差が誕生し、雄型と雌型という格差が生じて、陰陽合体して一つになる運命が待ち受けています。無論、「分派方式」にも前者ほど激しくは無いものの、優劣差(序列差)がちゃんとあって、最初に誕生するのが陰、後から誕生するのが陽と定められています。

 さて、渦を総括しますと、巨大ベクトル渦と銀河渦と核子渦という、たった三種類に分類出来ますが、もう少し具体的に分類すると、一番大きい巨大ベクトル渦(小宇宙流)とその子渦(銀河団流)と、そして一番小さい核子渦とその子渦(電子流)という四種の存在はハッキリしていますが、その真ん中の中間サイズである銀河渦が多様に分かれている為に、難しい分類になります。当論では銀河系渦を五段階に分けて、合計で九種の渦系に大別しており、九次元磁界をメインとしていますが、これは上界の啓示のままの要約分類であり、本来は銀河の星雲磁界も入れて十種にしたい所ですが、すぐに回転が止まって、大して存在意味が無い事を考えれば、やっぱり九種の分類でも構わないのかと思い直したりもしています。数理概念と一致させる為には、それが九種である必要があるのです。

 自然界は一見、多種多様な側面を見せて、乱雑で無法な「カオスの世界」にも見えますが、そこには自然を支配する「自然法」が存在し、それなりの調和と秩序の下にある事は長い歴史を通じて人類が学んで来た事です。その様な自然法は人間生活にも見出されて、「道理法」と呼ばれて来ましたが、煩雑多様な現代国家社会では、人間の意思や宗教の意思を反映した「法律(人間法)」が主流を占めており、自然界から学んだ道理法とはえらく掛け離れたものになっています。人間そのものは今も昔もちっとも変わりませんが、昔の時代には存在しない電化製品や銃器や車が登場して来た訳ですから、それを規制する為の細やかな「法律」を作る必要があり、安定社会を築く為には、野放しには出来ないというのが、その理由です。

 野生動物の世界の様に、在るがままに放っておけば、自然法が作用してそれなりに安定する事は分かっていると思いますが、強者に脅えて暮らす野蛮な原始社会から抜け出した人類が、そんな熟睡すら出来ない過酷な生存競争の世界に今更戻れる筈もありません。自己を外敵から庇護してくれる国家と言う保護膜があるから人間らしい生き方が出来る訳であり、その様な意味では国家とは一つの磁場単位と考えられますが、その生活圏から一旦外の世界に出れば、その安全保障の糸が切れてしまう事になります。

 国家という単位は、一つの細胞単位あるいは一つの磁場単位であり、外界とは隔離された固有の内部社会を構成しているものであって、過酷な外環境から内環境を守護する為の「保護膜」に包まれたものです。当然それは一つの生命単位であって、自然法の効力はその内部まで浸透する事は難しくても、今度は国家単位に作用を及ぼし、そこに寡頭競争をもたらして、強者と弱者を明確に分離しようとして来ます。そうした国家間の覇権争いは国家が誕生した直後から発生しており、人類は何とも血生臭い国家間戦争の歴史を持っており、その争いが今現在でも続いている事は承知の通りです。

 しかし、宇宙という本格的な外世界に目をやれば、地球は「地球磁場圏」という保護膜に包まれた一つの安定社会であり、そこには生存に必要な物理環境もあれば、空気や水もあって、また食料となる有機物も、あるいは社会生活に必要な資源も、ふんだんに用意された極めて恵まれた環境である事を認識出来ると思います。つまり地球そのものが一つの細胞単位であって、我々は細胞内生物(酵素)である訳です。その様な「地球一国」という巨大単位を個々の人間が正しく意識しなければ、いつまで経っても内部抗争(国家間争い)に終止符を打つ事が出来ません。

 

次回へ続く

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