〈豚のエリザベス〉

 ルヒイ・ベテルギウスが作り出した「猿ヒューマノイド」、それが所謂「グレイ」の正体である。グレイとは猿の肉体に霊魂体宇宙人(ルヒイ神)を憑依させて、猿の肉体運動を神がコントロールするという、神々世界の「生命工学」が生み出した高等技術の産物であるが、それが「人間ヒューマノイド」を作るよりも難しいと言われる所以は、グレイが惑星の固定位相を持たない宇宙空間用の生命体であるからだ。1947年のロズウェルで起きたグレイ円盤の墜落事故の際、グレイの遺体解剖に立ち会ったフランスのある医師は目を丸くして驚いた。なぜならば、その宇宙人とは様々な肉体改良を施された「猿」だったからだ。知能的に人間よりも遥かに劣ると思われる「猿」が空飛ぶ円盤を操縦していた事実に彼等は驚愕したのだった。目に見える物しか信じない地球人の科学者達にグレイの生体メカニズムが分かる筈も無い。
 
 創造主のセザナ神がオリオン帝国に対して「地球の植民地化」を認可したのは今から1万7000年前の事だ。無論、龍神島(聖地)の保護と、聖地の母民族となる部族の保護と、その部族の龍神島への移住作業を手助けするという条件付きの認可だった。オリオン帝国(銀河ルヒイ神の集団国家)が慢性的な「魂体」不足に苦しんでいた経緯はセザナ神は百も承知であり、聖地民族以外の地球人ならば「お前達の好きな様にして良い」という御触れは、便宜上の止むを得ない手段だったと思われる。なぜならば、銀河人を皆殺しにして、銀河系を無理やり霊魂体宇宙人(銀河ルヒイ神)の社会へと切り替えてしまったのはセザナ神当人だったからである。オリオン植民地と化した聖地地球に、セザナ神がベテルギウスの直接介入を認めたのは西暦1274年の鎌倉時代の「元寇」の時だった。龍神島民族が蒙古軍の侵略を受けた事から、銀河系で唯一の物質円盤を有するベテルギウス軍に対して創造主勅令が下され、グレイ艦隊が蒙古軍を全滅させて龍神島の危機を救った。それ以来、ベテルギウス・グレイが月の裏側に住み着く様になった。
 
 オリオン帝国の総帥民族であるベテルギウスがオリオン帝国を牛耳っていた事は神界の常識だったが、霊魂体宇宙人のベテルギウスが地上の物質世界を支配する為に、創造主を差し置いて「物質円盤」や「猿ヒューマノイド」を作り出した事はセザナ神は快くは思っていなかった。しかし、結果的にベテルギウスを頼って彼等の力を借りなければならない事態となってしまい、そのお陰でベテルギウスの邪(よこしま)な学問介入が始まり、地球人は西洋アンポンタン科学にすっかりと洗脳されてしまった。「イルミナティ」そのものがベテルギウスだったからである。彼等が核爆弾を作り、原発を作った張本人であって、人類抹殺を企ててきた連中である事は承知の通り、馬鹿に武器を与えれば必ず使う事は目に見えているからだ。しかし、そんな歴史などもうどうでも良い。今の地球は天体寿命が切迫している危機的な状況を迎えており、地球から脱出しなければ人類の生存が見込めない深刻な事態に直面しているからだ。我々としては銀河系に唯一残されているグレイ円盤を龍神島民族の救出に利用する腹づもりで今日まで動いてきた。
 
 グレイの物質円盤に「人間の生身の肉体」を乗せて実際に運び出せるのか否か、そうした物理実験や生体実験が開始されたのは今から5年前の話である。当然、人間の肉体を実験台には使えない理由から、他星の動物達が実験の犠牲となった。本日の話は惑星ブメデジ(グレイ本星)に生息していた1匹の雌の野ブタ(エリザベス)の話である。野ブタなのになぜ名前が付いているのか、その理由は今から10年前の4月1日まで遡る。我々の仲間から私宛に1通のメールが届いて、そのメールには「ミニ豚のエリザベス」をペットとして飼う嵌めになったという文面と、1枚のミニ豚の写真が添えられていた。それは赤いリボンを耳に結ばれた雌豚の可愛い写真だった。エイプリル・フールなんぞを知らない私はすっかり騙されて、エリザベスと対面出来る日を待ちわびたら、「嘘だビョーン」などという返事が来て、私はすっかり人間不信に陥ってしまった。その事件以来、私はいつの間にか豚語が身に付いて、「ブヒン」とか「ブヒブヒ」と言う様になった。
 
 豚をこよなく愛する私にとって、実験台に野ブタを使う事は反対だったが、この豚が死にそうになっても何度も蘇って元気になるので、それに敬服した私は「エリザべス」という個別の名称をプレゼントしたのだった。生体実験が終わると、実験結果よりも、「エリザベスはまだ生きているか?」と最初に尋ねるのが習慣だった。それまでの実験ではブメデジの猿を何頭も犠牲にしてきたからだ。グレイの円盤は核爆弾(D-tube爆弾)や分子破砕砲を搭載したバリバリの戦闘機だった。乗組員の健康など二の次にされた、雄々しくて荒い宇宙船である。当初は人間用の戦闘機だったが、強い超伝導磁場と猛烈なズイマ電磁場とD-tube加速器から放たれるX線に人体が耐えられる筈も無く、人間ヒューマノイドは勿体無いので猿ヒューマノイドを使おうという話になった曰く付きの戦闘機である。ベテルギウスも様々な改良を試みて、血液を凝固させてしまう強い電磁場から体をガードする為に船内空気をアンモニア・ガスで満たしたり、様々な工夫を施しても乗組員(グレイ猿)の命はせいぜい5年間が限界だった。
 
 グレイ戦闘機は物質円盤なのにアストラル円盤と遜色の無い高速度(光速度の8万倍もの速度)で飛べる所が最大の特徴(売り物)であって、アストラル世界の戦闘に於いては圧倒的な存在感を示してきた。そんな武骨な戦闘機を人間が乗船出来る安全な乗り物に改良しようとした我々だったが、通常走行ではまだ耐えられるものの、系外の光速走行では全く耐えられなく、多くの猿を犠牲にする結果となってしまった。その苦い経験から円盤の自立走行は諦めて、他力走行(円盤自体を運ぶ方法)の路線へと切り替えていく事になった。この路線切り替えは僅か2年前の話である。我々の銀河系には創造主軍団(王国軍)の力学組織が配置されており、「ハルク力体」と「オーク力体」という2種類の力体が銀河全体を包んでいる。天然の力学組織としては、個々の天体には「テトラ体」という力体も存在しており、我々は普段これらの力体を操作しているのだが、これらの力学組織にグレイ円盤を運ばせようと考えたのである。勿論、グレイ円盤は物質円盤であり、船のエンジンをオンにして反重力装置を作動させて船体を浮き上がらせないと(体重をゼロにしないと)力学組織は船を運べないし、また船自体に新たな力学装置を取り付けてやらないと彼等が船を掴んで動かす事も出来ない。
 
 そこで我々は、円盤の1台1台に頭脳であるアストラルの「オークcomputer」を搭載させて、物質computerを牛耳り船内操作を可能にさせたばかりか、また船体全体にハルク力体を設置する事で外の力学組織が船体を掴んで運べる様に改良を加えた。つまり、円盤のエンジンを稼働させ、反重力浮上を作動させて、エアーや温度などの生命維持装置が働いている船内環境下で円盤を運ばせる事に成功した訳であり、人体には超危険な推進器(ズイマ電荷器やD-tube加速器)を使う事無く、またアンモニア大気も使う事無く、安全に人間を運搬する方法を編み出したのである。豚のエリザベスとはこの頃に乗船させた実験用の動物だった。しかし、我々が超えられない様な物理的な問題が前進を阻んでいた。その一つが「物質の相転移問題」であり、光速度の14万倍を超えると全ての物質が相転移を起こしてバラバラに分解してしまうという宇宙の大原則だった。我々が人類の移住先として選んだのはグレイの物質基地が存在する惑星であり、ブメデジにしてもバエルヤにしても、約50万光年の距離を隔てた惑星である。他力運送の場合は幾らでもスピードは出せるが、速度を出せば円盤の船体が持たないのである。
 
 その致命的な問題を抱えながら実験的な運送を繰り返していたら、突然マクロ宇宙の敵が侵入してきてオークcomputerを悉く破壊されてしまった。グレイ円盤の八割に当たる17万機の円盤が壊滅的な被害を被ってしまった。それがちょうど豚のエリザベスが試乗している最中に起こった出来事だった為に、エリザベスの救出騒動が勃発した。銀河空間を走行させている最中に円盤の電源が落ちて生命維持装置がストップ、一番の問題はエアーよりも船内温度だった。1時間以内に円盤をブメデジに戻さないとエリザベスの肉体はたちまち凍ってしまう。銀河空間はマイナス230度だからである。最初は修理すれば直ぐ治ると思ったが、修理には数時間が掛かる事が分かってブメデジまで円盤を戻す必要があった。制限時間内に船体をブメデジに戻したが、今度は円盤の扉を開く事が出来なかった。早くしないとエリザベスを窒息死させてしまう。あの手この手を使ってやっと扉の開閉に成功したが、エリザベスが虫の息を呈しており、早急に治療する必要があった。そこで地球から医療団をブメデジに派遣して何とかエリザベスの命を救う事が出来た。
 
 「なぜ、試乗実験に豚を使ったのか?」、そんな野暮な疑問は持たないで頂きたい。その理由は猿の方に問題があって、猿は手足を使って円盤の操縦席のボタンやスイッチを勝手に押すからであり、豚足ならば悪さが出来ない理由から猿の代役に選ばれたのである。エリザベスの命は何とか取り戻したが、17万機の修理作業には泣きが入った。そしてその数ヶ月後にやっと全機の修理は終えたが、一月も経たないうちに再び全機がやられてしまって、脱出計画は暗礁に乗り上げた。またその数ヶ月後には敵に溶かされない頑丈なオークcomputerを作って再び全機に取り付けたが、敵はいとも簡単に壊してしまった。我々は毎日マクロ宇宙の敵と戦っており、脱出船に対する敵攻撃は作戦であって、仕方がない一面がある。なぜならば敵も地球の寿命を熟知しており、我々を地球の外に出さなければ全滅させる事が出来ると踏んでいるからである。仮に絶対に大丈夫なオークcomputerを開発出来たとしても、物質の相転移問題が未解決のままである。脱出問題に関して抜本的な解決策が必要だった。
 
 マクロ宇宙の敵は、空間創造主とも言われる空間操作を得意とする相手である。そのお陰で我々も苦戦を余儀なくされてきたが、逆に空間に関する知識は色々と学べた。我々が属する宇宙空間とは表空間と呼ばれているが、反対に裏空間なるものが実在し、その裏空間とは物質の還元空間であって、万物をたちまち気の粒へと分解してしまう恐ろしい空間である。この裏空間の存在までは我々も知っているし利用もしてきたが、その他にも10種類以上の空間種が存在する事実に我々は腰を抜かす程驚いた。このうち気の粒が存在する自然空間とは表空間のみである。私はふと、これらの異空間を利用して円盤を一瞬のうちに目的地へ送り届けられる方法が無いものかと検討を始めた。これらの空間に相転移現象は無く、無限に速度を出せたからである。しかし実験の結果は思う様に運ばず、物質を深い異空間に入れるとなかなか元の表空間に戻す事が出来ず、更に表空間に戻る関門が裏空間である理由から、実験は殆ど失敗した。当然、船体に対裏空間ガード被膜を巻きつけて分解しない様な措置を施すのだが、表面からジワジワと分解されていくのである。
 
 そこで裏空間に物理的な処理を施して、空間の物質還元能力を弱める手法を開発し、豚のエリザベスを試乗させて様子を観察する事となった。エリザベスを乗せた円盤を裏空間へ送り出すと、案の定、自己の心と遮断されてしまったエリザベスは即座に倒れ込んで植物状態の虫の息となった。エリザベスの命は船内位相が支えているが、問題は裏空間が船体に及ぼす作用力である。その円盤は更に第三異空間や第四異空間にも入り込んで、空間が及ぼす作用力の調査を行った。円盤のエンジンが停止する事は無く、また気絶しているエリザベスの健康に被害が出ることは無かったが、裏空間の作用力が強く、円盤の表層が溶け出してきた事にはかなり驚いた。もし仮に第三異空間で運ぶとしても、行きと帰りには必ず裏空間を通らなければならない。何度も繰り返せば円盤は使用不能になるだろうし、それより人間を気絶させたまま輸送するのは余りに手荒過ぎる。こうして異空間搬送も再び暗礁に乗り上げた。幸い豚のエリザベスは無事に復活した。豚や猿などの動物は人間の子供と一緒であり、円盤が惑星磁場圏を超えた瞬間に倒れて昏睡状態に陥る。
 
 地球の終焉が刻々と迫っているという状況なのに、また折角ベテルギウスが残してくれた立派な遺産(物質円盤や物質基地)が残されているのに、あるいは高度なアストラル科学を誇る我々創造主軍団が直接関わっているのに、地球人を救い出す目処が立たない事は我々の焦燥を募らせた。地球人には無理だが、我々ならば「必ずやれる筈だ」と思い直して、再び別な抜本対策を講じる事になった。問題点は色々あるが、一番重要なのは個々の物質円盤の船体computerを操作出来る優れた力学体が必要である事と、物質の相転移をどうやってクリアするのかと言う問題と、どういう手段を用いて人間を円盤に乗船させるのか、この3点は是が非でも解決しなければならない大問題だった。脱出対象者は「ヒューマノイド組」と「解脱選定組」の二つに大きく分かれており、総勢200万人(75万世帯)にも及ぶヒューマノイド候補者にはその選定の際に我々が呼吸ブースを配布していた。それは2020年の話であるが、候補者を選定しただけの話でヒューマノイド工作はまだしていなかった。
 
 それに対して本命の解脱選定組は対面でコツコツと数を増やしてきたものの、その数はトータルでも1000名前後、家族を入れても2000名程度あり、脱出対象者はほんの一握りの者しか居ない。今後その数が増えると見込んでも数百名程度であって、高が知れている事は確かである。しかし、数が少なくても確実に地球を脱出させなければならず、その方法をずっと考え続けていた。我々は今年(2022年)の2月になってから高性能力体の一つである「十字力体(メシア力体)」の開発に成功し、オーク力体よりも賢く、またハルク力体よりも力強い力学組織を生み出した。この開発が契機となり、戦闘computerや天体などにもメシア力体を配分して軍団の一本化が図られた。グレイ円盤にもメシア力体が装着され、円盤操縦はオークcomputerに取って代わってメシア力体が管理する事となった。また、人間個人にも円盤の子機であるメシア・スーツを装着させる事になり、今年の3月からは軍団体制そのものがガラッと変貌を遂げた。当然、脱出方法もこれまでの集団脱出とは大きく異なり、小さな単位(家族)での脱出が可能となった。メシア・スーツそのものが円盤を呼ぶ為の通信機であるからだ。
 
 メシア力体のお陰で円盤を操作する為のアストラルcomputerが必要でなくなった事から、激しい敵攻撃の中でも円盤の操作が可能となり、また相転移問題についても、「次元空間被膜」と呼ばれる特殊な空間被膜で円盤を包んで搬送するという手法でクリアする事が出来た。なんと地球太陽と恒星ライネ間の星間距離(50万光年)を僅か10分間で航行出来る様になったのである。その試乗実験にも「豚のエリザベス」を用いて、エリザベスは「ブメデジ−地球間」と「地球−ブメデジ間」を2回も往復した。無論、エリザベスは最初から最後まで気絶しており何も覚えていないが、船体から降ろされて目覚めると、直ぐに何事も無かった様に食べ物をあさり始めた。彼女には難しい事はさっぱり分からないが、食べる事と昼寝をする事は得意だった。彼女は無事に任務を終えて解放されたが、地球人の脱出に大いに貢献したブメデジの野ブタである「エリザベス」の名前は忘れないで頂きたいと思う。ブヒン!!
 
 
 

〈次なる聖地へ〉

 本日(11/1日)から月の裏側にグレイ円盤を集結させており、今日だけでも約1000台の円盤が集まっている。当然、メシア・スーツを纏っている方はいつでも円盤を呼べる状況だが、機体の防衛上の関係から、円盤は全て「次元空間被膜(ベール)」を被せており、肉眼でもレーダーでも捕捉されない様にしている。当然、円盤に飛行機が衝突しても衝突にはならず、飛行機はただ空間を通り抜けていく。円盤はこの表空間には存在しているが、基本的に別空間に居るのである。今年の11月末までには月の裏には5万機の中型機と1000機の大型貨物機を集結させる予定であり、今月から来年の3月一杯まではヒューマノイド組の脱出期間と見積もっている。皆様や我々の脱出はその後になる予定である。75万所帯にも及ぶ「創造主ヒューマノイド」は今年の9月にヒューマノイド加工が施され、翌月の10月には一家の長に対してメシア・スーツが配当された。彼等は時期を選んでグレイ円盤に乗船していくだろうと思われる。ヒューマノイドはスーツを介して円盤と交信連絡を取れるが、だが一般の皆様にとっては交信そのものが難しい。今のうちに交信訓練に励んで頂きたいと思う。
 
 所で、自分が定めた目的地に円盤を下ろして、スーツに対して円盤のベールを脱げと指揮すると円盤がその場に忽然と出現し、ハッチを開けてくれる。開かない場合は命令すれば良いだけの話である。人間や荷物を収納している最中は円盤の姿は丸見えの状態であり、これはばかりは如何ともし難い。乗組員が乗船すると、ハッチが閉まって円盤のメシア力体が船内位相を取り付けて位相転写作業が行われる。無論、連れて行くペットも人間と一緒の扱いである。その時間は10人乗船しても15分前後の作業であるが、円盤は肉眼で確認出来る状態である。そして、用意が終わったら円盤は発進するが、太陽系の端まではベールを被せない丸見え状態で航行する。ミサイルが追い付く速度ではないので撃墜される心配は無い。円盤が地球磁場圏を振り切ると、子供達やペットは直ぐに気絶してしまうので、シートにしっかり固定しておく必要がある。無論、銀河解脱以上の方は気絶する心配は無く、太陽系内を観光する事が出来る。しかし、太陽系外に円盤が到達すると再びベールを被せられるので、全ての人間が気絶してしまう事になる。地球から太陽系の端までは20分間で到達するが、系外の銀河空間を飛ぶ時間はたった10分間である。
 
 移住先の太陽系に入ったら目的の惑星までまた20分間の時間が掛かるが、解脱者は目を覚ましており、再び宇宙旅行を目で体感が出来る。子供達も惑星磁場圏に入れば目を覚ます子供もいる。目的地に着いても惑星の仮位相と連結されるまで船からは降りられない。全員の装着が終わったらハッチが自動的に開くので、それが下船の合図である。要するに、円盤に乗船してから10分間(発進準備)+20分間(系内移動)+10分間(超光速移動)+20分間(系内移動)+10分間(下船準備)の行程を経る為に、目的地まで総トータル1時間10分の所用時間である。勿論、移住者は円盤に詰め込んだ当座の荷物を自分で下ろす必要があるし、乗船の際にも自分で荷物を船内に積み込まなければならない。ヒューマノイドは一般住宅もしくは街近郊の野外に住んでいるが、解脱者は基本的に海岸の高台にある幹部邸宅に住む事が出来る。空港から電気自動車で向かうか、もしくは小型円盤でしか移動できない地区である。電気自動車も惑星メシアに依頼すると、タクシーの様に迎えに来て運んでくれる。
 
 もしあなたが移住先の惑星を探索する場合は、やはり円盤を呼んで乗船すれば良いだけの話、惑星内であれば船内位相と接続する必要も無く、後はあっちに行ってみてとかこっちに言ってみてとかと指示を出せば、行きたい場所に自由に出向く事が出来る。円盤をいちいち操縦する必要は無く、全て自動である。一般に、惑星内の移動には小型円盤を使用し(自家用車代り)、宇宙旅行の場合は中型機を使用するのが普通である。この様に考えると、移住星での暮らしは結構快適な生活であり、ライフラインも完備されているのだが、残念ながら物品不足と食料不足はどうにもならなく、移住したその日から食料の獲得にあくせくしなければならない。さて、これから来年に掛けて、日本国に於いては多分グレイ円盤の姿をチョコチョコ見かける様になると思っている。危機感がゼロの皆様でも、地球から離れていく人々の姿を見れば、さすがにお尻に火が着いて触発されるのではないかと期待している。地球の終焉(地殻崩落)がいつ発生するのか、それは我々でも全く予期が出来ないが、我々としてはやれるだけの事は既に精一杯やってきており、あなたが死ぬか、それとも生き延びるかは基本的に自己責任、「賽」はもはや投げられており、自分で決断して実行するしか方法が無い。
 
 地球が終焉を迎えて人類が死に絶えると、地球は「元初の聖地」の看板を外されて、移住星の方が次の新しい聖地となるのが古くからの決まり事である。地球霊界は基本的に解体されて、次の聖地の方へ移される。王国の伝統では、元初の聖地が滅んだ場合は、現役のソロジンか、もしくは4人の女神達が定住する星を「聖地」と定める慣例になっている。目下の所は、次の聖地候補地は「炉座の矮小銀河(E356-G04: オリオン名称はミオガビエゲ星雲)」の恒星ライネの第三惑星(バエルヤ)であり、この星にソロジンが降り立てば、そこが次の「聖地」であると正式に決定する。私自身は既に「大宇宙ソロジン」を引退しており、後継の新ソロジンが誕生している。今後は新ソロジンが創造主世界を牽引して行く事だろう。バエルヤにも龍神島が存在し、そこには432神の龍神が存在している。日本国の様に四つの島から構成されており、見方によっては龍の姿にも見える。地球が滅んでも、天の川銀河系がある限り聖地銀河と聖地民族の関係は何も変わらない。残念ながら一度解体されてしまった高天原の創造主世界だが、私自身はこれからの未来宇宙に期待したいと思っている。
 

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