〈原子核反応の統一理論モデル 3〉


原子核反応の統一理論モデル 3

 

       磁場の掟

 円形の空芯コイルもしくは回の字形の空芯コイルに直流電流を流すと、その中心点には磁場の内部吸核力(重力)が向心し、直径大の電流磁界(magnetic field of electricity)が形成される。これは、いわゆる電磁場(electric force field)”の事であるが、この電磁場と磁石の磁界(magnetic field of magnet)、そして原子の軌道磁界(orbital force field)の三つは全く同じ性質のものである。磁石の磁性は鉄原子の電子軌道磁界によるものであり、それが電子公転による軌道磁界と同じである事は納得出来るが、電流回転(電流の角運動)と電子公転(電子の角運動)が同じというのは少々疑問に感じるかもしれない。だが実際、これらの磁界はその威力の違いはあっても全く同じものである。

 電流(electric current)とは電子バイパスの中を貫通して流れる電子の中心磁束(center flux of electron)”の集合体であり、それは本来個々の電子の磁場を形成する為のものである。言うなれば、電子のN極から吹き出す中心磁束とは電子そのものの象徴であり、中心磁束=電子だと表現しても別に構わないものである。その中心磁束の集合体がバイパスの中を縫って流れるのだから、電流とは複数の電子が運動している事と同じ意味を持つのである。つまり、空芯コイルに電流を流すという事は、コイルの中を無数の電子が回転(公転)して歩く事と同じなのである。さて、磁場にはいくつかの掟があり決まり事がある。つまり、磁場社会における当り前の常識をこれから語ろうと思う。

 まず、磁場(force field)の種類は大別して2種に分かれる。その一つは天体や素粒子が形成する空間媒体の渦磁場(vortical force field)”であり、水面や大気の渦磁場もこの仲間に入る。これらの渦磁場は流体や気体などの媒体の渦運動(vortical motion)から生じるものだが、その最大の特徴は、複数の小磁界から成り立つ複合磁界(multiple force fields)”であるという事である。複合磁界はそれ自身が大変複雑な位相運動(phasic movement)を起こしており、磁場の内部重力が周期的に変化する性質を持ち、特に生物の意識と密接な関係を持つ為に、一般的には「生命磁界:psychic (vital) force field」と呼ばれている。また、その磁場振動は複合的な波長を有した一連の光波動(γ線領域やX線領域)を生み出し、その中心磁束は各種の一次電流(小電流)となる。

 もう一つの磁場は、渦磁場に対して電磁場(electric force field)”と総称されるもので、その骨格運動は有電荷粒子や電流などの回転運動(rotatory motion)に由来している。電子の軌道磁界(orbital force field)や衛星や惑星などの公転磁界(revolving force field)、あるいは電流回転による電流磁場(force field of electricity)や磁石の磁界(force field of magnet)もしくは生物タンパク質のアミノ磁場(amino force field)などがこの電磁場の範疇に入る。これらの磁界は皆単独磁界であって、複合磁場に対して単磁場(single force field)”と呼ばれるが、その特徴は、強弱変化の無い均等な内部重力を持つという事であり、特に、物質が持つ磁界な為に、一般的には「物質磁界:material (bio) force field」と呼ばれている。この電磁場の振動はX線以上の波長領域の光波動を生み出し、その中心磁束は二次電流(電圧流=大電流)と呼ばれて、渦磁場の一次電流とは基本的に異なる。   

 渦磁場も電磁場も原則的に同じ磁界であり、共に磁場の掟に従うが、磁束密度、内部重力、表面反撥力などいずれも渦磁場の方が強く、磁場の強度や馬力自体が電磁場に勝っている。これらの磁場はいずれも気の粒(fozon粒子)を集めるのが仕事であり、更に、周囲の気を振動させて特定の波長の光波動を生み出すばかりか、逆にその特定の波長の光のみを吸収する性質を備えている。また渦磁場はその場に応じて自ら渦を収縮(ボーズ・アインシュタイン凝縮)させ、その分中心磁束を長く遠方に延ばすという、まるで生き物の様な反応を示す。特に渦磁場は拡散気流の双子渦(twin vortex)として誕生し、磁荷の質が異なる左巻き渦と右巻き渦に分かれて存在している。

 無論、宇宙で最初に誕生するのは渦磁場の方であり、物質創生後に誕生してくるのが電磁場の方である。原始的であるが複雑な機能を持つ渦磁場と、進化しているが簡単明瞭な電磁場という、この異なる2種の磁界によって宇宙の森羅万象が具現している。当然、人間の生命とはその肉体が囲う電磁場(RAM磁界=アミノ磁場の事)と、それを包み込む渦磁場(ROM磁界=地球磁場の事)の2種から形成されており、我を意識して肉体を操り、記憶して判断する人間の心とは肉体から遥か離れた地球磁場圏の内部に「磁場の位相」として存在している。つまり、生命当体(心=意識)とは肉体の中には存在せず、その外側に存在するものであって、我々は地上の猿を憑依した宇宙の「高等磁気生命体」と言えるのである。

          () 1  (磁場分類表)

 磁場の掟についていくつか言及すると、まず内磁場は外磁場に磁化されるという原則である。陽子はそれ自体渦磁場であるが、その渦軌道に反電子を1個周回させている為に、反電子の軌道磁界に磁化されている状態である。その結果、陽子は1個の大きな陽電子として振る舞い電子を引きつける。ちなみに、陽子の電荷量と電子の電荷量は同じだが、その質は正反対である。ところが、その陽子が外殻電子を所有し、その体積を10万倍にした軌道磁界を備えると、もはやその陽子は超巨大な1個の電子として振舞う。そして、その陽子はもはや陽子ではなく水素原子と呼ばれる異なる物質となる。ちなみに、水素原子の電荷量は1個の電子の電荷量と同じであり、1個の有電荷粒子の電荷量は、それが軌道運動して形成する二次磁界(軌道磁界)の電荷量と基本的に一致している。

 しかし、外磁場は内磁場を全体的に磁化し支配出来るが、その内部の運動系までは支配出来ない。例えば、地球磁界は太陽系磁界に磁化されて支配を受けているが、その内部の運動系まで支配されている訳ではない。つまり、我々は地球磁界の重力系に従っているのであり、太陽系重力に従っている訳ではない。この性質は磁場のシールド作用と呼ばれる。従って、木星が地球の至近距離に近づいても、地上の大気や人間が木星の重力に引き込まれるという心配は無い。だが何かの外力が加われば、人間が吸収されない代わりに地球ごと吸収される可能性が全く無い訳ではない。

 磁場は通常、表面磁荷量を備えているので、独立した磁界同士は原則的に磁荷反撥して相手を跳ね返す。しかし、同じ磁荷量の反磁界(回転方向が逆の磁界)が現われると全く抵抗なく受け入れてしまう。一般に、渦磁場は同じ渦磁場に対する斥力が強く、また電磁場は同じ電磁場に対する斥力が強い。ちなみに、地上の陽子や電子の渦磁場は地球渦磁場に対抗する斥力を備えており、その重力線を跳ね返す性質を備えている。その為、粒子の体重が集中する中心物体(コア)の体重は本来の体重より数百分の一も軽くなっている。陽子が破壊されると、そのコアが陽子の総体重の数百倍も重い重粒子(baryon)として飛び出してくる理由は、この磁荷反発が起因している。その様な意味では、木星と地球は互いに反撥し合って、通常は一定距離以上に近づく事は無いと言えよう。

 我々の銀河系は左回転渦であり、太陽系もまた左回転渦である。地球系も左回転渦であれば、地球自身も左スピンしている。つまり、我々の住む世界とは左巻きの陽磁場の世界であって、「左優化」の世界に他ならない。特に、地球の中では北半球が陽磁場を呈し、南半球がその反対の陰磁場を呈している為に、北半球では著しい左優化現象が現われる。北半球の渦巻きの大半は馬力の強い左巻き渦であり、反対の右巻き渦は劣化して極端に勢力が弱い。左スピンの単独陽子の寿命は100億年とも言われるが、かたや右スピンの単独中性子の寿命は15分と短い。左優化のこの世界では、中性子が生き延びる為には陽子と合体する以外に手は無いのである。DNAの二重螺旋やタンパク質の螺旋構造がなぜ右巻きではなく左巻きを呈するのか、その理由はこの左優化の法則に基づいている。

 この様な磁場の分類や掟を知っているか否かの差は大きく、それは磁場の数式を考える以前の問題であって、全て分かってから数式を導入しなければならない。核融合実験に於いて、重水素ガスを磁場に閉じ込める作業が盛んに行われているが、単なる磁石の磁界や電流の磁界ではガスを圧縮する事は出来ない。1cm当たり数百トンという強大な重力を生み出す為には、重力が一点に集中する重力磁界を作る必要がある。その為には電流にどの様な角運動を起こさせれば良いのか、コイルをどの様に巻けば良いのか、この文章を読めば一目瞭然であると思われる。

 

              F 核反応の理論モデル

 

       ① 存在しないクオーク

 クオークなど存在しないと言ったら貴方は驚くだろうか。それとも、さもあらんと私の意見に同調するだろうか。多分、半数以上の科学者がクオークの存在を疑っているだろう。なぜならクオークはそれ自体が単体で取り出す事の出来ない粒子であり、誰もその姿を見た事が無い理論上の「想定物質」に過ぎないからである。では想定物質であるのになぜその存在を実験的に確認出来たのだろうか。一体、科学は何の存在を見てクオークだと判断したのだろうか。それをこれから語ろうと思う。

 陽子に高速の電子を衝突させると、その磁場が振動発光して反応が返ってくる。その微妙な振動の仕方で陽子の内部に何かの物体が存在する事は確認出来る。クオークはその様な実験方法で存在確認されてきた。陽子の中に物体が存在するなら、陽子を破壊すればそれが飛び出してくる筈であり、事実、科学は超大型加速器を用いて陽子を破壊し、そこから飛び出してくる何百という種類の瞬間粒子群を長年観察してきた。だが、それらの新生粒子群とは異なる分離不能の本源的な粒子の存在を仮想した。それは言わば瞬間消滅する微粒子群の親玉的な母体粒子の存在仮定であり、その架空母体をクオークと想定した。現在、微粒子群の性質分類から、そのクオークが6種類ある事が知られている。

 陽子の真実の姿は小さなコアを抱く陽子渦流であり、その球形の渦磁場が陽子の実体である。具体的に言えば、陽子はカエルの卵の様な姿をしており、それは透明な卵黄体の中に小さな中心物体()が存在するといった姿である。そんな陽子磁場に強い衝撃を与えれば、当然、中心部のコアも振動する筈である。だがコアは陽子の渦流の中心点に存在しており、その渦の存在の為に、陽子の赤道部に対する衝撃には敏感に反応せず大きな振動を起さない。しかし、それは上下の極部に対する衝撃には鋭く反応し、飛び出さないまでも大きく振動してしまう。つまり、衝撃を与える場所によってコアの振動の仕方が変化するのであり、一見すれば振動数が異なる複数個の種類が存在するかの様に見える。だが揺れ方は様々でも、一つの陽子の中心には一つのコアしか存在しない。

 さて、たった一つのコアが外に飛び出しているのに、なぜ数百種もの微粒子が発見されているのだろうか。その疑問は意外と簡単に解ける。コアは渦磁場の重力場から飛び出した次の瞬間には直ぐ崩壊を始める。それは実に60億から100億分の1秒という束の間の一瞬で気の粒にまで分解してしまう。もしその実験を1000回試みれば、1000個の新粒子が発見されるだろう。なぜなら、たった1000億分の1秒の時間差で、コアはその姿を刻々と変化させているからである。

 これらの瞬間微粒子群はたくさん種類がある様に見えても、たった1個のコアが姿を変化させているに過ぎなく、崩壊過程の途上に出現する仮の姿というのが真実の姿に他ならない。それらは口に入れたキャンデーが溶けてドンドン小さくなって行く過程と同じなのである。無論、地上の100種の元素もこれと同じであり、時間を極端に縮めれば、たった1個のコアが大から小へと向かって一方的に分解していく行程に過ぎない。無論、元素の崩壊が極端に遅い理由は、核子や電子が運動して力の場を形成し、崩壊を制御しているからであって、それに対して粒子のコアは粒子が囲う力の場から一旦飛び出すと、崩壊を食い止める外部力が何も無く、気の塊はアッと言う間に分解してしまう。

 陽子を破壊して得られるこれらの瞬間粒子群に、あれがΨ粒子だ、これがΣ粒子だ、それがK中間子だと、それぞれに名前を付けてその役割をいちいち考えた所で、それらは単なるコアの化身に過ぎなく、何の意味も価値も成さないものである。例え1億年かけて研究した所で、陽子の構造やその誕生について何の手掛かりも得られないだろう。それは100種の個々の元素をどんなに研究した所で星のコアの実体が分からないのと一緒であって、ミクロからマクロを予想する事など所詮出来ないのである。

 瞬間粒子群を個別に研究すれば、それらがそれぞれ独自な性質(粒子の色)を備えている事が分かる。色とは俗に言うパリティやストレインジネスや偶奇性の事である。これらの色とは基礎素粒子の渦磁場の色から与えられたもので、個々の瞬間粒子が潜在的に所有するものではない。陽子のコアは色で例えるならば無色透明な気の粒であり、それ自身は本来何の性質も持たない物体である。しかし、陽子の渦磁場には反電子が周回しており、そのコアは反電子の軌道磁界に磁化され、その色に染まった状態である。仮に青色に染まったコアが飛び出せば、その瞬間粒子群の系列粒子は全て青色の色(性質)を呈示する事になってしまう。では電子を持った陰電荷中性子(intron)のコアが崩壊すれば、それから出現する瞬間粒子群は一体どの様な色を呈するのだろうか。

 陽子の電荷の色には3種類あって、陽電荷陽子、陰電荷陽子、単体陽子の3種が存在する。また、中性子の電荷の色にも3種類があって、陽電荷中性子、陰電荷中性子、単体中性子の3種が存在する。無論、これらの電荷とは陰陽の電子を持つか全く持たないかによって定められるもので、母体の色次第でコアの色も変化する事は言うに及ばない。当然、瞬間粒子群は全部で6通りの色に識別が可能であり、その結果、その母体と見積もられるクオークも6種類が存在すると予想されてきた。だが、それは6種類のクオークが存在するのではなく、核子が6種類の電荷の色を持っているに過ぎない。

 一方、核子の1/2000の大きさの電子系のコアは、ハドロン粒子群とは異なりクオークを持たないレプトン粒子群と総称されている。電子の渦磁場から飛び出したコアは、順番に、ミュー粒子、タウ粒子、ニュートリノを経て最終単位へと崩壊していく。無論、電子には2種類の電荷の色が存在する為に、これらの瞬間粒子群もプラス型(positron)とマイナス型(electron)の2種に分かれている。中性微子と称されるニュートリノとは、気の粒の8分子体から4分子体の集合体であり、地上の元素で言えばリチウムやヘリウム原子クラスのものと推察される。素粒子物理学ではミュー・ニュートリノとかタウ・ニュートリノとか分けて類別しているが、それには何の意味もない。

 ところで、電子の渦磁場の極部に上手く衝撃を与えると、渦流を破壊せずに中の中心物体だけがレプトンとして飛び出す。それは陽子の渦磁場にも同じ事が言えるが、別に中心物体が無くても、渦磁場が健在であれば、その渦磁場は電子や陽子として振る舞いそのまま君臨し続ける。もし、その渦磁場に元気があれば、再び気を集めて失った中心物体を創造するであろうし、もし新たな光励起が得られなければ、その無質量の渦磁場はそのまま減衰して消滅してしまうだろう。電子の特性は中心物体ではなくその渦磁場の方に象徴されており、渦磁場が健在ならば他の物理特性も同じく健在であって、時間を掛けて気の粒を吸収すれば、自己の体重も元の状態に戻る。

 渦磁場は一種の超伝導磁界を呈しており、地球重力を遮断する力を備えている。無論、それ自身に体重は無いが、気の塊である中心物体には体重が存在する。当然、コアは渦磁場の中に存在する限りその体重が軽減されており、ハドロンやレプトンとして単体で飛び出した瞬間に、その重力場に於ける新しい体重が備わる。ちなみに、電子のコアであるミュー粒子は電子のそれの200倍の体重を持っているが、その大きさ(質量)は電子の10万分の1に過ぎない。しかし、これらの体重は重力場に於ける相対的体重であり、この宇宙には元々体重などは存在せず、全ての物質の体重は皆原則的にである。科学が考え出した重量に相応する質量という概念自体が曖昧なものであり、それはニュートンの間違った引力概念から生まれた間違った物量観念と言わざるを得ない。

 クオークとは現代素粒子物理学が勝手に生み出した虚の存在物であり、また、ハドロンもレプトンもメソンも一切の瞬間粒子群がコアの崩壊系列の化身である事を認識しなければならない。換言すれば、トリウムというトリウム崩壊系列元素の絶対的な母体(クオークの一種)が数個存在するのではなく、たった一つの星のコア(素粒子のコア)が分裂して多様な元素(瞬間微粒子群)を生み出していると解釈しなければならない。ちなみに、地球の全ての化学元素は、トリウム系列元素(原子量が4n+4で表される元素の一群)、アクチニウム系列元素(原子量が4n+3で表される元素の一群)、ウラニウム系列元素(原子量が4n+2で表される元素の一群)、ネプツニウム系列元素(原子量が4n+1で表される元素の一群)の4種類の崩壊系列の内のどれかに必ず帰属するが、ならば地球のコアは四つのクオークから成り立っているのだろうか。現在のクオーク仮説はそれと同じ事を主張しているのである。

       拡散渦の発生

 気の存在を仮定せずに、皆無の空間の中での物質宇宙の発生を考えれば、基礎素粒子の発生が大変不思議なものに成ってしまい、無理な詭弁を労して説明しなければならない。現代科学は全宇宙空間を針の穴よりも小さな超ミクロ空間に閉じ込め、それを一挙に大爆発させて物質宇宙の発生を説明しているが、空間がなぜ収縮するのか、あるいはビッグ・バン爆発がなぜ起こるのか、それすらもまともに説明する事が出来ない。そんな理論も根拠も何も無い数学者の葉茶滅茶な宇宙発生論を疑いもせず真正直に受け入れている我々科学者の方がどうかしていると言える。

 物質宇宙の発生を、別にクオークやグルーオンの発生から考えなくても、気の存在仮定さえすれば、流体力学を少し発展させたもので充分に説明が付く。宇宙とは結局、拡散渦(diffused vortices)とベクトル渦(vector vortices)の世界であり、天体から素粒子の果てまで渦運動(vortical motion)だけで説明が出来るのである。我々の宇宙は、気の密力による自己収縮と、収縮の限界による拡散膨張という2種の行程を繰り返す反復宇宙であって、気とは自動開闢エネルギーに他ならない。この宇宙空間に存在する無量大数の陽子や電子という素粒子が一体どの様に誕生してきたのか、ここでは主に拡散渦の発生とその進化について語ろうと思う。

 承知の様に、真空の宇宙空間に気が拡散蒸発する刹那に瞬間発生する均一サイズの極小のチビ渦を拡散渦と称している。本来、拡散渦とは大気の拡散によって生じるミクロ・サイズの渦の意味であり、主に雲の因子となる霧核(fog core)を生産する大気渦の事である。大気分子の大きさと気の粒の大きさ(10−36)mでは極端な違いはあるが、両者は同じ空間媒体であり、拡散蒸発する瞬間に均一サイズのチビ渦を大量に一斉発生させる。渦の直径が数ミクロン(10−6)m(10−14)mとでは余りにも桁が違うが、原理的には同じ拡散渦に変わりはない。これらの拡散渦の最大の特徴は、均一サイズでしかも大量に発生するという事だが、重要な事は拡散渦が必ず右巻きと左巻きの双子渦(twin vortices)で誕生し、それらが互いに結合して一つになるという特徴である。

 一方、拡散渦に対してベクトル渦とは渦の総称名で、全ての渦は皆直進気流(ダイレクト・フォース)の四角形運動から誕生してくる。当然、直進ベクトルの長さに比例して渦のサイズが決定されている。厳密に言えば、瞬間発生する拡散渦もベクトル渦の一種に変わりは無く、分けて呼ぶ必要は無いのだが、渦のベクトル運動によって、更に二次的な渦運動(子渦)や三次的な渦運動(孫渦)が発生する為に、つまり、親渦と子渦という様な後先の区別を付ける必要がある。ちなみに、銀河系渦の渦線に沿って誕生してきた無数の二次ベクトル渦は太陽系渦と呼ばれるが、銀河系そのものはビッグ・バンの際に瞬間発生した巨大な拡散渦の一つであり、一次ベクトル渦の範疇に入る。無論、惑星系は三次ベクトル渦、そして衛星系は四次ベクトル渦と言える。

 少々紛らわしい話だが、気の巨大な塊である原始宇宙の爆発は無数の拡散渦を発生させる。それが銀河系渦の事だが、それは大規模な気の直進流が描く四角形運動から生産される一次ベクトル渦である。しかしそれに対して、その大規模直進流そのものが真空の宇宙空間へ拡散蒸発していく刹那に瞬間発生する無量大数の一様で均一なチビ拡散渦という特別な存在がある。つまり、宇宙にはマクロの拡散渦とミクロの拡散渦という2種類の拡散渦が存在している。これらの瞬間発生する拡散渦以外の渦をベクトル渦と称しているが、このベクトル渦にも種類が存在し、銀河系を砂粒の如く集約する小宇宙流と呼ばれる大規模なベクトル渦も存在すれば、ミクロの拡散渦の中に誕生する極小の二次ベクトル渦も存在する。いずれにしても、宇宙の開闢はマクロからミクロに到る渦の連動発生から始まる。

 最初期の宇宙に始めに誕生してきた物質は、気の拡散蒸発によって生産される左巻きと右巻きに分かれる双子の核子渦である。それらの拡散渦が周囲の気を集めて中心物体(コア)を形成し、基礎素粒子が誕生してきたものと考えられる。左巻きの核子渦は陽子へ、そして右巻きの核子渦は中性子へと進化の行程を辿るが、それらの内軌道の中には更にそれぞれ双子の二次ベクトル渦(電子渦)が誕生していたと考えられる。

 陽子渦の中に誕生した双子渦の内、右巻きのベクトル渦(陽電子)のみが母体と磁束の糸で結ばれ、陽子と同じ左巻きの電子渦(陰電子)は磁荷反撥によって外界へ飛び出す。また中性子渦の中に誕生した双子渦の内、左巻きのベクトル渦(陰電子)のみが母体と結ばれ、母体と同質の右巻きの電子渦(陽電子)は磁荷反撥によって外界へ飛び出す。そうした電子渦の自然淘汰が完了する頃には陽子と中性子が磁極結合によって結ばれ一つの物質となり、宇宙空間には全ての電荷を打ち消し合った無電荷の重水素原子核が誕生してくる。

 やがて中性子が自ら電子を手放し、原子核の周囲を公転させると、原子核の10万倍の磁場を備えた重水素原子が誕生してくる。その重水素原子が互いに横結合して分子を形成し重水素ガスとなる。宇宙の星間ガスはこの様にして生産されたと考えられる。また、外空間に放たれた電子と反電子は互いに結合して無電荷のπ-電子対を形成し、宇宙空間にそのまま残留すると考えられる。

            図 12 (双子渦の発生と淘汰)

 左巻きの陽子渦の中に発生する双子のベクトル渦(子渦)は、実際は多数誕生していると考えられるが、最初に発生した右巻きの子渦のみが母体の中心磁束と結ばれて生き残り、後の者は全員外界へ放り出される。この現象は生物の卵子と精子の関係に良く似ており、最初に卵子と合体した精子のみが生き残るのが自然の摂理と考えられる。核子の拡散渦は渦の容量が極端に小さく、原則的にたった一つの子渦しか所有する事が出来ない。

 陽子は誕生直後から反電子を内蔵しているが、周囲の環境次第ではそれを手放し単体陽子となる。単体陽子は時に原子核の電荷調節の為に電子を捕獲し陰電荷陽子にも変化する。それと同じ事は中性子にも言える。単体の中性子は外殻電子を捕獲して陰電荷中性子になるが、時に反電子を吸収して陽電荷中性子にもなる。陽電荷中性子は一見すると陽子に見えるが、磁荷とスピンが陽子のそれと正反対である。

 この様に考えると、現代科学が命名した素粒子の名前は余り適切なものとは言えない。そもそも陽子と電子が同質の+磁荷(α-spin)であり、中性子と反電子が同質の−磁荷(β-spin)に他ならない。本誌では通常の陽子(陽電荷陽子)をアクトロン(actron)、単体陽子をプロトン(proton)、そして陰電荷中性子をイントロン(intron)、単体中性子をそのままニュートロン(neutron)と呼び、また陰電荷陽子を反アクトロン(anti-actron)、陽電荷中性子を反イントロン(anti-intron)と命名している。以後、この名称で統一しようと思う。

                                  13 (6種の基礎素粒子想像図)

 ところで、地上の物質は皆外殻電子を周回させている電子系物質(原子)であり、この世は電子の軌道磁界の世界である。従って、一般的に同じ電子系の磁荷は計測しやすいが、核子系の磁荷は計測が難しい。陽子(actron)は中性子(neutron)と同じ核子の磁界だが、その内軌道に反電子を所有している為に、事実上は電子系物質である。その為、核子の集合体の中でアクトロンの数だけは識別出来るが、ニュートロンやプロトン(単体陽子)ならびに無電荷ユニットの計測は難しい。なぜなら我々が持つ電荷検出装置自体が電子系物質で出来ているからであって、その装置ではニュートロンとプロトンを見分ける事すら難しいと言えよう。

      ③ 大規模宇宙渦の発生

 普段、重力によって地表付近に圧縮されている大気は、その上昇気流によって密度の薄い上層空間に放たれ、その刹那に大量の拡散渦を一斉に発生させるが、発生させるのは何も小さな拡散渦だけの話ではない。大気の大規模な直進流(地球自転によってもたらされるジェット気流の事)は巨大なベクトル渦を発生させ、北半球では左巻きの低気圧渦や右巻きの高気圧渦を発生させる。

 地球大気と同じ様な事は宇宙の気にも言える。ビッグ・バン爆発による気の大規模な直進流は巨大なベクトル空間渦を多数発生させ、その際に瞬間発生したゴミ粒の様な拡散渦(銀河系の事)を集約している。これらの大規模ベクトル渦は銀河系を数千兆個も集めた小宇宙流(親渦=mother vortex)と呼ばれる渦系であり、我々が見える範囲で通常宇宙と呼んでいる世界である。この小宇宙流(small universe vortex)の渦系は直径が約300億光年を超える超大な渦磁場(第九次元磁界;the ninth dimensional magnetic sphere)を形成しており、大宇宙の中にはこれと同じ大規模なベクトル渦が他にも幾つか存在している。だが、小宇宙磁界の外は気が全く存在しない外宇宙であり、光振動が伝わらない真空空間の為に、隣の小宇宙磁界を肉眼で見る事は出来ない。

 一方、この小宇宙流の中には二次渦や三次渦が誕生し、大小様々な星団系を形成している。素因子である銀河系を数十億から数百億も集めた二次渦(超銀河団渦=SCG; super-cluster of galaxies)は磁界名では第八次元磁界と呼ばれているが、渦系の直径が最低1億光年を超えるもので、我々の銀河系が属する乙女座超銀河団やペルセウス座超銀河団、ヘルクレス座超銀河団あるいはクエーサーなどがこれに該当する。また、二次渦の系内に発生した三次渦(銀河団渦=CG; cluster of galaxies)は直径が2000万光年以上の渦系であり、数千個から数万個の銀河を系内に集約している。一次渦(小宇宙流)は数百個から数千個の二次渦を抱え、また二次渦は数千個から数十万個の三次渦をその系内に集約している。

 全宇宙の気を集めて一塊に丸まった原始宇宙が一体どれ程の規模のものか、想像し難いが、それが針の穴とは比較にならない一個の超巨大なエネルギー球体を呈していただろう事は想像出来る。その原始宇宙が内圧の限界を迎えて、爆発的に一斉に拡散膨張し始めれば、気の巨大な直進流(ダイレクト・フォース)が放射状に飛び散る事は言うまでもない。渦運動とはこの拡散膨張の反作用として誕生する抵抗運動であって、気薄になるのを恐れたエネルギーの本能的な防御反応と言えるだろう。

 我々の想像を遥かに超える無窮の大宇宙と比較して、渦系の中の隔離された小さな世界は磁気が暗躍する磁場の内世界であり、気と光に満たされた生命の世界である。そこにいる限り、運動が起こり物の形状を維持する事が可能であって、また光エネルギー伝達も意識伝達も可能な世界である。だが、一旦外宇宙へ踏み出したら、そこはあらゆる物を消滅させる還元の世界であり、皆無の破壊空間である。止め処も無く膨張していく外世界(大宇宙)の中で、小宇宙の渦系(vortical system)は渦磁場を形成する事によって気の膨張拡散を防いでいるのであり、それは外世界と内世界を分ける庇護膜に他ならなく、我々生命体が生存出来る唯一の世界を形成している。

 この様な宇宙の流体力学的な発生を考えれば、現在の宇宙構造を極めて自然に無理なく説明が出来る。縦幅が5億光年に及ぶグレイト・ウォールの発見や、横幅が1億光年にも及ぶ何も無いボイド空間の発見は小宇宙流の渦巻き構造の一部と考えられる。また我々の属する局部銀河群(local group of galaxies)が起している全体運動(ストリーミング・モーション)とは二次渦(超銀河団渦)の回転運動の一環であり、それは場の空間ごと動いているのであって、銀河や銀河群が単独で動いている訳ではない。承知の様に、銀河系という一つの単位が単独で存在する事は在り得なく、それは皆小宇宙の中のどこかの組織に必ず帰属している。人間の体を小宇宙になぞらえれば、銀河系とは一個の細胞単位であり、組織から外れて単独で存在する細胞が無い事と同じである。

 さて、空間を無理やり捻じ曲げて目茶苦茶な詭弁宇宙論を提訴している現代科学であるが、少なくとも天文学的な観測と一致する様な考え方をして欲しいものである。銀河系の姿を見て、それが渦巻き構造ではないと本当に言えるのだろうか? それは太陽が個々の引力で集まり渦巻き構造に成ったものなのだろうか? それならハリケーン渦巻きを見て、雲の群れが勝手に集まって渦巻いていると解釈するのと一緒である。目に見えない大気の渦巻きが雲の群れを引き連れている事は承知の通りである。であれば、目に見えない銀河の渦巻きが太陽の群れを引き連れていると解釈しなければならない。銀河系の形状を維持し、太陽という物質を捕獲して離さない力の場が形成されており、その中心点とは当然重力が集中して入力するブラック・ホールに他ならない。

 だが残念ながら、現在の未完成な流体力学には渦巻きの明確な定義が無く、渦が重力場を形成するなどという記述は無い。また拡散渦という最も初歩的な概念も無く、その存在自体が全く知られていない。従って、現代科学は拡散渦が関係する自然現象、例えば雲の発生メカニズムや雷の放電メカニズムなどに対して未だに納得のいく説明が付けられない状態でいる。承知の様に、科学は大気が上空で冷やされると勝手に霧核が発生すると考え、また雷の放電は大気中のイオンのなせる技と考えている。

 大気の拡散渦は気の拡散渦と同様に双子渦として発生し、その渦の中心点には空気の玉を圧縮している。当然、その一つ一つが渦磁場を囲った帯電球であり、それが急激に発達した厚い雲の中で葡萄の房の様に縦状の重合体を大量に形成すれば、その渦磁場の中心磁束(電流)が蓄電の限界を超えて放電を始める。それが雷のメカニズムである。夏場の急激な上昇気流が雷雲を発生させるのも、また、火山噴火や核爆弾の炸裂による急激な上昇気流によって火山雷や原爆雷が発生するのも同じメカニズムである。その帯電した雲の一部が切れて地表の上空をファファと飛び回るのが放電球の正体である。

 一方、渦磁場の中心点に圧縮された大気の玉は回転の衰えと共に昇華を始めて、酸素や窒素は直ぐに気化するが、比較的密力が高い水蒸気分子はその親和力(H2Oの極性)の為に結合して小さな水の玉としてそのまま残留する。それが霧核であり、その群れが雲と呼ばれる。その霧核が多数凝結して雨として落下してくるのは承知の通りである。この様に、拡散渦の存在を知らなければ多くの自然現象に納得の行く説明が付けられない。

 この拡散渦を実際に体験したいなら、試験管の中の空気を指で圧縮して、そして突然その指を抜いてやれば良い。ポンと音がした瞬間に試験管の中が真っ白になるのは瞬間発生した無数の拡散渦がその中心点に空気の玉を作ったからである。それが霧核の発生であって、科学が想定するブラック・スポット(水蒸気を引き付ける霧核の芯)”とは埃や塵ではなく、この拡散渦の中心点の事に他ならない。つまり、水蒸気を引き付ける埃や塵が存在しなくても、空気を拡散しただけで霧核が誕生するという話であり、科学はただその存在を知らないだけに過ぎない。しかし、渦の存在は比較的簡単に認知出来ると思われるが、その渦が形成する力の場(渦磁場)についての認識は簡単ではない。

④ 現代素粒子論の間違い

  素粒子物理学の間違いが一体どこから始まったのか、その起源を探れば、結局物体引力説を選択したニュートンの時代まで遡ってしまうが、しかし、その途中の段階でその間違いに気付く機会はいくらでも有ったと思われる。素粒子物理学は1897年のJJ・トムソンによる電子の発見と、1911年のラザフォードによる原子核の発見から始まるが、原子核の構成因子(陽子、中性子、電子、反電子という四つの基礎素粒子)が完全に出揃う以前に、驚く事に数学者達の手によって今の原子核理論の大枠の体系は既に完成していた。

 承知の様に、原子核の構成因子の全てが発見されたのは1932年であり、チャドウィックの中性子発見とアンダーソンの反電子発見がこの年同時になされている。原子核が何から構成されているのか分からない状態なのに、ボーアの量子論(1913)やアインシュタインの一般相対論(1915)を始め、パウリの排他原理(1925)、ハイゼンベルグの行列力学(1925)、シュレーディンガーの波動力学(1926)、フェルミの統計学(1926)、ハイゼンベルグの不確定性原理(1927)、ディラックの電子論(1928)、ガモフのトンネル効果理論(1928)その他が完成している。これは一体どういうことなのだろうか? 彼等の理論には中性子と反電子の存在を考慮する必要が無かったのだろうか?

 彼等の致命的な間違いは原子核引力の存在を盲目的に信じていた事であり、原子質量の大半が集中する原子核には外殻電子を引き付けて、更に自己が固く凝集出来る程の質量引力が在ると思い込んでいた事であろう。つまり、彼等はニュートン同様に、力の本源を個々の粒子に見出したのであり、原子核重力を実際に生産している外殻電子の軌道磁界や核磁場という物体の外側にある力の場に意識が及んでいなかったという事である。早い話が、目に見える物体の形質に捕らわれる余りに、目に見えない力という本質の存在を蔑ろにしてしまったのが間違いの根本原因と言えよう。

 アインシュタインは重力が物体の質量引力であると信じていたから、説明困難な現象を時空に擦(なす)り付けたのであり、同様にガモフも、原子核重力が核子の質量引力にあると信じていたから、トンネル効果という無理な詭弁を想定しなければならなかった。湯川は単なる質量引力では説明困難な陽子と中性子の強い結合力を見て、その結合を媒介する接合子の存在を無理やり仮定せざるを得なかったし、また、結局質量引力では全ての現象を補いきれない為に、ゲージ理論超ひも理論という超まやかし理論が誕生してきたと言っても一向に構わないだろう。

 長い間、良識のある科学者達によって信仰されてきたデカルトの空間媒体理論は、最終的にはニュートンの弟子達(20世紀前半に活躍した全ての数学者)によって原子核発見後に再び墓場に葬られる事になったが、結局、気の存在角運動が分からないが故に力の場が認識出来なく、光を粒子にしてしまったというのが現代科学の全ての間違いの根本原因に他ならない。

 もし、JJ・トムソンの発見した電子が、電子ではなく電子の中心磁束の方であるという認識があれば、少なくともボーアの量子論やド・ブロイの物質波概念やシュレーディンガーの波動力学は誕生してこなかった筈であり、頭の固い四角四面な数学者達に科学を占領されずに正道に戻っていたかもしれない。ニュートンの遺伝病とも言えるこの現代科学を立て直す為には、従来の全ての科学理論を打破出来得る体系理論が必要であり、その体系理論は少なくともデカルトの弟子達によって構築される筈である。無論、この統一理論を書いている私本人がデカルトの弟子であると自称している事は述べるまでもない。

 重力が地球という目に見える物体に存在するのか、それとも目に見えない外磁場に存在するのかという問題は、心という力(生命)が大脳という目に見える物体に存在するのか、それとも目に見えない外磁場に存在するのかという問題と全く一緒である。もし後者が正しいのであれば、心という霊的な存在物は体の外側に存在し、我々は大脳アンテナで本体の心と交信している事になるのである。大脳とは物を記憶する場所でもなければ、また我を意識して判断する場所でもなく、それは我()と我の肉体を結ぶ通信機に過ぎなく、感覚器官を通じて得た情報を空の上の中央フレーム・コンピューター()に送信するRAM型パソコンと考えられるのである。

 つまり、我々人間の心の正体とは、地表の猿の肉体を憑依(磁化)し、それを支配した宇宙の高等意識霊体(磁気生命体)なのではあるまいか?  生命とは肉体が死んでも消滅する様な代物ではなく、我々の意識は死後も霊として生き続けているのではあるまいか?  その様な意味では、「我思う、故に我在り」というデカルトの言葉の真意は大変に深いものと言わざるを得ない。ニュートンとデカルトの対立は結局イデオロギーの対立であって、それは正に唯物論(子供)と唯心論(大人)の対立と言っても構わないだろう。我々は一日も早く子供の科学(見た目の通りに考える科学)を卒業して大人に成長しなければならない。

⑤ 原子核反応のメカニズム

 さて、ここから素粒子世界の話から原子世界へ話を移そう。原子核の変化は外殻電子の変化に直接通じており、また外殻電子の変化も原子核の変化に通じている。一つの原始的な生命単位とも言える素粒子が集まり、それらが組織を構成する事によって、より高等な生命単位へと進化した姿、それが原子の世界と言える。人間という生命単位が集まり、家族や社会や国家という組織を構成している様に、組織そのものは正確には生き物とは呼べないものの、それがまるで一つの生き物の様に振舞う事は承知の通りである。同様な事は原子と言う組織も同じであって、それ自身生き物ではないのに(渦磁場を持たない)、一つの生命単位としてまるで生き物の様に振舞う。その生き物の様な作用力を呈示するものは無論、原子核を包み込む電子の軌道磁界であり、いわゆる電磁場に他ならない。

 そもそも原子核は核子がダンゴ状に固まったものではない。それは地球駒(ジャイロ駒)の様な形態をしており、大きな原子核は皆、外周を帯状に取り囲む外核と中心部に存在する内核に分かれている。外核はHe-単位もしくはD-単位がサークル状に取り巻いたもので、基本的に偶数個の核子から成り立つが、内核は外核に対して垂直に立った状態であり、主にHe-単位の余剰核子(余り)が集まる場所である。原子核スピンを持つ奇数元素の場合は、この内核スピンがそのまま原子核スピンとなる。原子核の構造は「鏡像原理」5) に基づいて電子軌道に反映されており、原子核骨格が電子軌道骨格の基盤になっている。

          図 14 (原子核骨格の想像図)

 我々は既に数百種にのぼる核異性体元素の原子核構造とその電子軌道を解析しており、その新しい分類法も確立している。当然、既存の波動方程式は間違っており、その様な常気を逸した数学など使用していない。しかし、今回の統一理論モデルは原子核反応に限定しており、軌道電子が描く化学反応の世界を語るのは次の機会にしたいと思う。ここでは原子核の分類やそれが起こす核反応について語りたいと思う。

 

       1) β崩壊の謎

 ところで、20世紀の科学界を最も悩ませた原子核の不可解な反応と言えば、かの有名な「β崩壊現象」である。この謎を解くのに私は人生の半分を費やしたと言っても過言ではない。科学はフェルミのβ崩壊理論や湯川の中間子論仮説を取り入れ無理やり説明しているが、ハッキリ言ってその仮説は非科学的で、まるで子供の詭弁である。ここでは全ての原子核のβ崩壊を理論的に説明出来る新しい理論を説明しようと思う。

 β崩壊を簡単に説明すれば、不安定な原子核がその質量を変化させずに陽子を増減させ、一つ上かもしくは一つ下の安定元素へと自主的に遷移する現象である。β+崩壊とβ崩壊という2種類の反応が存在し、前者は陽子(actron)が1個消滅する現象で、後者は反対に陽子が1個増える現象である。その際、原子核が反電子線もしくは電子線)を放出する事から、β崩壊もしくはβ壊変と呼ばれている。この不可思議な核変換を説明する為に、科学は陽子(actron)が崩壊して中性子(neutron)と反電子(positron)が誕生し、また中性子(neutron)が崩壊して陽子(actron)と電子(electron)が生まれると説明している。それが本当の話なら、核子は永遠に不滅であり、物質は宇宙年齢よりも長生きしてしまう。単体中性子の15分という寿命は嘘なのだろうか。

 陽子(actron)は元々電荷調節の為に反電子(positron)を放出して電荷の無い単体陽子(proton)になる性質を備えている。その現象を一見すれば、陽子が崩壊して中性子と反電子に分かれて発生した様に見えるかもしれない。だが、それは単に陽子(actron)が反電子を放出しただけの話に過ぎない。単体陽子と中性子の区別が出来ない性能の悪い検出装置では致し方も無い話だが、陽子が壊れて中性子と反電子が飛び出してくる様なイメージを持たせる解釈はいかがなものだろうか。

 果して中性子(neutron)が壊れて陽子(actron)と電子(electron)が誕生してくるものだろうか。その現場を実際の目で確認した者は誰もいない。では科学は一体何の現象と勘違いしたのだろうか。それは多分、電荷の無い単体陽子(proton)が突然電子(electron)を放出して陽子(actron)に戻る現象を見てそう思い込んでしまった話ではなかろうか。反電子を放出して単体陽子(proton)になった陽子が元の形態に戻る為には空中のπ-電子対を捕獲して反電子を得る必要がある。反電子を得た単体陽子は元の陽子(actron)に戻るが、その際、不必要な電子を外界へ放出する現象(π-電子捕獲)を見て勘違いしたのではなかろうか。

 不安定な人工核種である酸素15(O15)は、核反応を起こして2分程の短い半減期で安定元素である窒素15(N15)へと遷移する。そのβ+崩壊の行程は、酸素原子核の中の陽子(actron)が反電子を一個放出して単体陽子(proton)となり、陽電荷を消滅させる方法で行われている。つまり、1個の陽子を中性子化させる事によって、電荷のバランスを取り原子核の構造安定を図っているのである。この陽子が1個突然消滅する現象+崩壊)は、正確には反電子放出(PE; positron ejection)と呼ばれる原子核反応である。これを科学風に解釈すれば、陽子が崩壊して中性子と反電子に分かれるという事になるが、結果は同じでも、そんな解釈では次の反応を説明する事が出来ない。

                           () 4  (酸素15β崩壊)

 そもそも酸素15β+崩壊は二つの異なる方法で行われている。一つは今説明した反電子を放出して起こす方法であり、またもう一つは原子核が軌道電子を吸収して起こす方法である。科学にとって、前者は説明可能だが後者を説明するのは困難である。原子核が電子を吸収すると、なぜ陽電荷が忽然と姿を消すのだろうか。酸素原子の陽子電荷が1個余った状態を早急に解消する為には、一番早い方法は陽子が反電子を放出して自ら中性子化する事である。だが、陽子は必ずしも組織の意向を汲み取ってくれる訳ではない。陽子がお家の事情に従わない場合は、その陽子に付随する中性子が軌道電子を捕獲して、互いに無電荷ユニットを構成する事によって強制的に陽電荷を消滅させる方法が取られる。この現象はK殻軌道電子捕獲(EC; electron capture)と呼ばれる反応であり、形成された無電荷ユニットはその後π-電子を放出して単体陽子(proton)と中性子(neutron)になる。

 次に、人工核種であるトリチウム(H3)がヘリウム3(H3)に遷移する核反応崩壊)ついて考えてみよう。この元素は我々の実験でもお馴染みであり、重陽子チェーンが分解して得られる不安定元素である。トリチウムの組成が1個の陽子(actron)と2個の中性子(neutron)から構成されているのか、それとも1個の陽子(actron)と1個の単体陽子(proton)と1個の中性子(neutron)の構成なのか特定は難しいが、いずれにせよトリチウムが電子を放って比較的安定なヘリウム3(He3)に遷移する事実に変わりはない。だが、この核反応は酸素15の様なラジカルな反応ではなく、半減期が12年という長いスパンで遷移していく。

 最初に、トリチウム原子核(triton)が1個の陽子(actron)と2個の中性子から成り立つ場合について考えてみよう。1個しか存在しない陽子(actron)が2個に増えるとは不思議な現象である。中性子は一体どの様な手段で陽子になるのだろうか。科学風に解釈すれば、中性子が崩壊すれば陽子と電子が出現するのだからこのβ崩壊は簡単に説明出来るが、実際の反応はそんな簡単なものではない。

 実は中性子(neutron)が陽子(actron)に成ったのではなく、正確に表現すれば、中性子(neutron)が空中のπ-電子対を捕獲して陽電荷中性子(anti-intron)へと変貌し、余剰の電子を放出したのである。承知の様に、単体陽子(proton)と中性子(neutron)の区別が付けられない様に、我々には陽子(actron)と陽電荷中性子(anti-intron)の区別も付けられない。実際、我々が陽子(actron)だと思って分類してきた物の中にはこの陽電荷中性子(anti-intron)がかなりの比率で含まれている。

 陽子とこの陽電荷中性子を見分ける方法は一つ、それらの磁荷量は同じだが、スピンの向きが正反対であり、磁気双極子モーメントで判断するしか方法が無いと言える。トリトンは中性子崩壊を恐れて、それを陽子化する事によって仮の構造安定を図っているのであり、従ってこの場合は、形成されたヘリウム3の組成は陽子(actron)と陽電荷中性子(anti-intron)と中性子(neutron)から構成されている。

 次にトリトンが陽子(actron)と単体陽子(proton)と中性子(neutron)から構成されている場合を考えてみよう。この場合は何も中性子に無理な負担を掛けなくても原子核構造は比較的安定しており、中性子崩壊が直ぐ起こる訳ではない。単体陽子(proton)はゆっくりπ-電子対を吸収して陽子(actron)へと戻り、余剰電子を放出してヘリウム3へと遷移していく。いずれの場合もトリトンは陽電荷を外界から補充している。

 自由空間に浮遊するπ-電子対を吸収するこの様な核反応をπ-電子捕獲(πC;π-electron capture)と称しているが、原子核には何と反対にπ-電子を放出する現象(πE;π-electron ejection)もある。また、極僅かだが、πC反応では原子核に吸収されるのは反電子の方だけではなく、逆に電子の方を吸収して反電子を吐く場合もある。原子量の小さな元素の多くは失った自己の電荷をπ-電子対を通じて外界から補充している。

             () 5  (トリトンの核反応式)

   一般に、原子量が40以下の小さな元素のβ崩壊はこの様な複雑な反応を経由して行われるが、それ以上の大きな元素は皆内核に無電荷粒子を所有しており、核反応の多くはこの無電荷ユニットに委ねられている。例えばウラン238(U238)α崩壊を起こすと、原子核の電荷バランスを安定させる為にβ崩壊が立て続けに起こる。ちなみに、α崩壊を起こしたウラン238はトリウム234となり、それは更に2回のβ崩壊を引き起こしてプロトアクチニウム234を経由してウラン234へと戻る。

 α崩壊は2個の陽子(actron)を放出するので、それが元の電荷に戻る為には2回のβ崩壊が必要である。つまり、ウラン原子核は2個の陽子を補充して電荷を回復しなければならないのである。小さな元素にとって、失った電荷の回復はπ-電子捕獲などを通じて外界から獲得しなければならないが、ウランは大量の無電荷粒子を保有している為に、電荷の修復は自力で比較的簡単に出来る。

 無電荷ユニットの中では電子と反電子が共存し、互いの電荷を打ち消し合った状態である為に、陽子(actron)の相棒である陰電荷中性子(intron)がその電子を外界へ放てば、それで無電荷状態が解消され、陽子の電荷が忽然と出現する事になる。2回のβ崩壊を起こす為には2個の電子を放出すればそれで電荷は元通りとなる。無論、無電荷粒子の保有量には限界があり、電荷の回復能力には限度はあるが、放射能元素は皆こうした自己回復能力を持ち、原子核の電荷バランスを調整している。生物で表現すれば、原始的な生命体ほど自己再生能力を持っているのと同じ意味である。

 無電荷粒子は陽電荷を増やすばかりではない。反対にβ+崩壊を起こして陽電荷を1個減らす場合もある。中性子が軌道電子を1個吸収して陰電荷中性子(intron)になれば、その相棒の陽子(actron)の陽電荷に相殺されて原子核は全体として陽電荷を1個失う事になる。増え過ぎた陽電荷はこの様にして調節され、原子核の電荷量は一定値に維持されている。無電荷粒子が在れば電子放出(EE; electron ejection)か、もしくは電子吸収(EC)だけで大変簡単に両方の核反応を引き起こす事が出来る。

                                () 6  (ウランのβ崩壊)

 この様なβ崩壊を一括して纏めると次の様になる。また主な元素の無電荷粒子数の一覧表も掲載しておこう。我々はこの方法で数千種に及ぶ全ての核種異性体のβ崩壊反応を検証し、間違いが無い事を確認しており、更にこれら核種異生体の原子核構造と電子配置、そしてその系列崩壊パターンも既に完成している。

           () 2  崩壊一覧表)

                                () 3  (無電荷粒子数一覧)

 

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