惑星バエルヤへの移住計画

〈裏空間搬送技術〉
 当初は大規模な移住計画を練っていた我々ですが、マクロ宇宙からの度重なる攻撃を喰らって計画が大きく頓挫し、円盤内部に取り付けたアストラルの操縦computerが悉く破壊され、地球人の「一部の種」を他星へ移住させたいと願う我々の脱出計画は見事に最初の零点へと戻されてしまいました。20万機のグレイ円盤の全機に設置した様々な装置が全て溶解されてしまった状況では残り時間の関係上、再装備は無理であると諦めざるを得ませんでした。それにズイマ航法による生物体の健康被害の問題や、あるいは航海日数の問題や(船内食料が無い: 航海中は乗組員が動けないので子供の世話が出来ない)、また不理解な地球軍との衝突問題など、円盤を地上に降ろす事自体が至難の技であるばかりか、また絶対的な安全性が確保出来ない状況では「博打まがいの脱出劇」となる為に、無理だと判断せざるを得ませんでした。それ以来、軍団は霊魂体脱出の方に力を注いで来た訳ですが、ここに至って軍団の空間操作技術が進んで、これまで不可能とされて来た、夢の「裏空間搬送」が現実味を帯びて来ました。
 
 裏空間搬送とは、あらゆる物質を瞬間的に溶解してしまう(気の粒に還元してしまう)裏空間特性に逆らって、次元被膜や空間質膜にその物質を包(くる)んで、抵抗が存在しない裏空間を超光速で移動させるという方法の事です。勿論、円盤が裏空間を自立走行するのではなく、軍団が輸送するのであって、距離とは無関係であり、たとえ100億光年の星間距離でも僅か数十秒間で目的地へ移動させられるという、まさに夢の輸送手段と言えるものです。この技術は人類が夢見て来た「物質の瞬間転送」であり、創造主世界の戦争技術のお陰で、それが現実の話と成って来ました。我々としても、未来の物質宇宙を構築する為にも無くてはならない高度な革新技術、この技術の開発に軍団は心血を注いで来た経緯があります。生物輸送はまだ完成していませんが、物質輸送に関しては成功を収めており、今は輸送の完璧性を追求している段階です。絶対零度(マイナス273度)の無重力空間で、物質の形状を即座に解いてしまう空間圧が皆無(磁力も場力も何も作用しない絶対空間)といった裏空間は、もともと物質の存在自体を拒む超度級の危険空間、この空間領域の中を生身の生物体を移動させるのは容易な事ではありません。
 
 通常の宇宙空間(天体空間)は気の粒で満たされており、そこには天体磁場も天体力場も作用していて、一般物質を超光速で移動させるとなると、光速の12万倍から物質の摩擦溶解が始まり、約14万倍に至ると粒子が完全に形状を無くしてしまいます(物質の相転移現象)。それはアストラル物質も一緒であり、光速の約150万倍から溶解が始まり、それ以上の速度ではアストラル物質ですら完全に形状を失ってしまいます。しかし、一般物質とは異なりアストラル物質は裏空間を搬送させる事が出来る為に、我々はこれまで大宇宙の内部ではほとんど瞬間的にアストラル物質輸送を行なって来ました。地球には何度もアストラル物質を大宇宙外から搬送しており、それは当たり前の極普通の話です。しかし、それが素粒子から構成される一般物質となると、100円ライター一つとして他星へ搬送する事は難しく、今だかつて創造主や神々が一般物質を他星へ運んだ例がありません。一般物質の輸送は人間が造った円盤で空間搬送する以外に手段が無かった事になります。
 
 これは極最近の話ですが、軍団は多次元被膜と特殊な空間質膜の開発に成功し、一般物質を被膜に包んで搬送する実験に成功しましたが、ただ磁場圧や場力圧に不足して、僅か数秒間の時間ですが、その間に物質の分子形状が若干崩れるという難題を抱えております。これに関しては一定の目処が立っており、物質円盤の形状を損なわず裏空間を搬送させる事は間も無く出来るだろうと予測しております。問題は円盤内部の物理環境であり、円盤の動力を稼働させていないと(エンジンを回していないと)、船内気圧や船内温度や船内重力を維持出来ないという事であり、たとえ僅か数十秒間であっても、生命維持装置が作動していないと肉体の命を保持する事が出来ません。当然、自律神経電流を生産する船内位相の装備は勿論の話であり、空間質膜で円盤を包み込んだだけで、心回路が遮断される為に、如何なる人間でも気絶は免れません。裏空間搬送の場合は頭が割れた覚醒者であっても意思運動は不可能、全員が座席に固定され気絶状態(植物状態)で輸送される事になります。
 
 仮に人間を円盤に収納し裏空間搬送する事になれば、円盤に乗り込み座席に固定されると同時に船内位相と接続され、また霊界ズザネ管やタボ線は身体から取り外される事になります。円盤の動力が作用している限り、この時点ではまだ大丈夫ですが(心回路も機能している)、円盤の船体を次元被膜で覆った次の瞬間に心回路が遮断される為に、その時点で乗組員は全員が気絶する事になります。無論、次元被膜で包まれた瞬間に円盤は地上から姿を消す事になり、見送りに来た搭乗者の関係者はもはや円盤を目で見る事も、また手に触れる事も不可能となります。その数十秒後に円盤は目的地の空港に忽然と姿を現しますが、二枚の次元被膜を取り外した後に、惑星にあらかじめ用意されている「簡易位相(仮位相)」と接続されて初めて乗組員は気絶状態から目覚めて下船する事が出来ます。簡易位相でも意識作用や精神作用を営む事が出来ますが、その使用期間はせいぜい一、二年間、その間に移住先の惑星霊界に自身と同型の本位相を作らなければなりません。
 
 さて、問題は仮に無事目的の星に移住出来たとしても、次の日からの過度な免疫抗体反応に苦しむ事であり、高熱を発して倒れてしまう事は当たり前の話、地球人にとってその星の生物環境は毒物以外の何物でもありません。新しいウイルス種、新しい菌類種、新しい花粉種やフェロモン種に対して身体が拒否反応を示すのは当然の話です。バエルヤ基地の三空港には免疫抗体反応を抑制する「ワクチン注射」があり、到着したと同時にそのワクチンを打ってもらう事になりますが、まだそれだけでは全然不十分なので、当面の期間は医療団のお世話になる事になるでしょう。もしかしたら運悪く死んでしまう方もいるのではないかと思われます。惑星バエルヤの生物環境に順応出来るまで最低三年の時間が掛かりそうです。そしてもっと重要な問題が一つ、それは現地には食料が無いという問題です。当座の食料は勿論「別搬送」で届ける予定ですが、バエルヤに到着すると同時に食料工場を稼働させないと生き延びる事が出来ません。グレイ基地には雨露を防ぐ家と、上下水道や電気などのライフラインは充実していますが、調理する流し場が無く(フードパック生活)、また鍋釜や包丁や食器類の生活道具が何も無い事から、それらの生活物資を地球から事前に運んでおく必要があります。
 
 肉体を無くした霊魂体が他星へ移住する事は簡単な話ですが、生身の人間が地球外で生き延びる事は奇跡に等しく、想像を絶する苦労が付き纏います。それでも出来れば「生に執着して」生き延びて欲しいと思っており、我々もその為には最大限の努力を払うつもりでおります。地球から若い生命を他星へ送り込んで宇宙に龍神島民族の種を残したい、大宇宙寿命が後50億年間もあるのに、主人公の民族が全滅してしまうのは余りにも「悲しい出来事」であると思っている次第です。これまで我々がそう願って達成されなかった場合も数多くありましたが、そういう儚い結果にならない様に今回は全力で取り組みたいと思っております。地球脱出に関して、我々としては政府の協力が欲しいのですが、もしそれが叶わない様であれば、これまで我々と縁した人間関係のみで脱出者を募ろうと考えており、最低でも2万〜3万人規模の若者の移住者を集めようかと考えております。我々が意中とする移住先の星は「バエルヤ基地」ですが、承知の様に移住が可能な自然界惑星は他にもあって、ブメデジ基地やキエ基地やブオ基地などが在ります。
 
 脱出に掛かる準備資金はその大半が生活物資の購入に当てられますが、我々は政府や民間企業からの資金提供はこれっぽっちも当てにしておらず、あくまでも宇宙銀行の資金で賄う予定でおります。我々が欲しい物は人材であって、地位や資産や権力など、そんな不必要な物は何一つ要りません。それよりも政府がお金を欲しいと言うならば、反対に寄付してあげても一向に構いません。若者を宇宙へ連れ去る代金を払えと言うならば、人数分の代金を支払う予定であり、ぜひ請求して欲しいと思います。その代わりに脱出作業に対する妨害行為は慎んでもらいたいと思います。地球寿命が刻々と迫っている現在、その話が本当であると信じる方と、地球が滅びる訳が無いと頑なに信じている方の両方に分かれていると思われます。科学者の意見も真っ二つに分かれている様子、あなたはどちらの意見を信用するのでしょうか。我々としては覚醒者の頭数が後8万5000人で定員を迎え、また脱出者の定員もほんの僅かである事を考えれば、出来れば地球は滅びない筈だと信じてくれる方が多い事を望んでおります。脱出者に関しては我々が選別した一握りの人達だけで十分かと思っている次第です。有象無象は要らないというのが、我々の基本姿勢だからです。
 
 現在、霊魂体宇宙人としてあの世で生きる権利を獲得した覚醒者数は111万5000名です。彼等の意識を収納する「銀河サラ位相帯(銀河単独位相)」は合計で120万層であり、残り数が8万5000人になりました。こればかりは本人の解脱(悟り)なので、我々が騒いでもどうにも成りません。出来れば定員数を満たしたいのが本音ですが、満席(120万層)まで行くとは思っていません。また覚醒同会を果たした方でも、地球で死期を迎えるのではなく、バエルヤで死にたいと願う者は生身移住に志願してもOK、特に40代や50代の若い生命は移住すべきであると考えています。ただ、一人単身で円盤に乗り込むのではなく、親戚筋や友人や知人の子供達を連れて乗船して頂ければ、目標の人数は確保出来ると踏んでおります。惑星バエルヤには三箇所の基地が存在し、全部で11万5000人を収納する家があります。他の基地にも住居はありますが、自然環境が優しいのはバエルヤとブメデジのみ、他の基地は訓練された自衛官や警察官でないと誠に厳しい環境であって、海辺でゆっくり遊ぶ事も、また基地内といえどものんびり散歩も出来ない危険な星と言えます。子供を育てる豊かな自然環境があるのはバエルヤだけだと言っても構いません。もし、地球人(龍神島民族)の種を銀河に残す事が出来たならば、我々としてもお世話のし甲斐があると言うものです。
 
 ちなみに、グレイの物質円盤は惑星内走行時はアンモニア大気を使用しておらず(通常の酸素大気走行)、また宇宙空間用のズイマ・エンジンも点灯しておらず、人体には無害なD-tubeエンジンのみで走行をしています。また着陸時にはπ-tube浮上装置を切って天体重力を効かせており、風で船体が揺らがない様にしています。従って、人間を輸送する場合は円盤を惑星内走行時モードにしておけば人体には無害であり(生命維持装置も稼働している)、また地上から浮き上がっている為に次元被膜等を巻きやすい事になります。当然、こうした円盤があるから生物体を安全に裏空間搬送出来る事になります。犬やネコのペット輸送も、船内位相にペット用を設けており(一台10匹まで)、搬送する事は可能ですが、惑星の仮位相に動物用は無い為に、事前登録をして現地で本位相結合させなければ、円盤から地上へ降ろす事が出来ません。多少厄介ですが、ペット(哺乳類のみ)も原則的に運べるので安心頂ければと思います。輸送の際は仮死状態になる為に、糞尿を漏らす場合もあるので、小さい動物はペット用の籠に入れておく必要があります。
 
    
 
 
〈惑星バエルヤの三基地〉
 詳しい情報は今年(2019年)の1月にバエルヤ基地に関する情報を提供しており、それを再読して欲しいと思いますが、セジス・グレイの本拠地が銀河の中心部から遠く離れた「竜座の矮小楕円銀河(DDO-208)」にも存在していた事には大変驚きました。今から200年前の話ですが、オリオン座の恒星ベテルギウスに超新星爆発の危機が訪れ、霊魂体宇宙人の国家(オリオン帝国)であるベテルギウス民族(オリオン帝国の総帥民族)の引越し先が、地球から47万光年も離れた竜座の矮小楕円銀河の中の一つの太陽系でした。その太陽系の名前は「恒星ニウエア」であり、その第三惑星が水の惑星(生物霊界は無い)である「ベテルギウス本星」でした。このベテルギウス本星を中心にして竜座の矮小楕円銀河ではオリオン文化圏が形成されており、恒星リエル(ブメデジ: グレイ本星)や、恒星ニエル(ビエク: 核基地)や、恒星イゲエ(巨人惑星)や、恒星ライネ(バエルヤ)など、全部で13個の太陽系にベテルギウス独自の軍事基地が設けられていました。無論、オリオン帝国全体では天の川銀河系の至る所に基地が存在し、その数は数千箇所にも及んでおり、我々の太陽系もその一つでした。
 
 私の肉体の以前の持ち主(ソロジン後継者)が、ベテルギウスの皇帝「ギューイ」を抹殺して、新しくオリオン帝国の皇帝を引き継ぎ、その本人自身がオリオン帝国を滅ぼしたものの、皇帝を戴冠したままの状態でした。奇妙な話ですが、私はケイエ=スイであると同時にオリオン帝国の皇帝でもある理由から、龍神島民族こそオリオン文化の正統なる継承者であると、ここに宣言をしたいと思います。従って、銀河に点在するオリオン系の基地は全て龍神島民族の物、早い話が人間王国の物であり、皆様にはそれを利用する権利が有るという話です。何千箇所ものオリオン基地、何百億機ものアストラル円盤、何百箇所にも上るアストラル街、グレイの物質基地も、グレイの物質宇宙船も、全て我々の物なのです。龍神島民族には是非ベテルギウス科学を引き継いでもらって、宇宙で活躍してもらいたいと願っております。その様な意味でも、我々は民族の種を宇宙に残したいと考えており、そこから未来宇宙の礎を築いて欲しいと思っています。
 
 恒星ライネの第三惑星である「バエルヤ」には三箇所に基地が存在し、空港や工場やアストラル住宅街が存在します。バエルヤの大陸配置は地球のそれと良く似ており、地球でいう所の北米大陸の西海岸(ポートランドやシアトル付近)にこの星最大の都市である「ネユ基地」が在って、そこには広大な穀物畑が広がっており、52000人規模の住宅地と、食料工場や金属工場や各種の軍事施設などが建設されています。バエルヤ全体の軍事本部がここに置かれています。西海岸の入江を中心に戸建ての住宅街が広がっており、街の南側は丘陵地帯ですが、北側は平野地帯であり遥か遠方まで草原が続いています。街の東側には街の総面積の20倍規模の本部空港が在って、また空港の周囲は動物避けの柵で囲われています。街や空港の北側に広がるのが大農場(穀物畑)であり、大草原の一角を区切っています。河川は合計三本流れていて、農場を貫く一本の川と、街を貫く二本の川が流れています。本部空港には軍本部(西側: 街側)の建物や、その南側には寄宿舎や管制塔が設けられています。ネユには本部空港の他に10箇所のミニ空港があり、南側の海岸線の高台にある幹部住宅地に1つ、街に7つ、農場に2つ在ります。
 
 ネユには船が着く港は無く、入江の海外線には岩場と砂場があって、海水浴や釣りを楽しみ、また海藻類や貝類などの採集も出来そうです。また草原地帯には牛や鹿や羊や馬などの草食系の動物が大量に生息しており(ネコ科やクマ科やイヌ科の肉食獣も沢山いる)、家畜化に成功すれば、将来は赤ちゃん用のミルクも調達出来ると考えられます。バエルヤの海にも山にも草原にも空にも、豊富な動物相が広がっており、働いてくれる若者さえ居れば、基本的に食料に困る事は無いのではないかと思われます。街の南側の山の手には硫黄泉の露天風呂(街から20km離れている)があって、自動車用の道が完備されています。混浴ですが、一度に30人ぐらいは入浴出来そうです。セジス・グレイは大型(身長1m50cm)のグレイ猿を使用しており、ダダジ・グレイの猿とは異なり、銀魚のチューブ食料のみで肉体の栄養を維持している訳ではなく、肉類も穀類も野菜も魚肉も口を開けて食べます。従って、調理はしませんが、金属食器やフォークやスプーンなどの器具は家屋に装備されています。セジス・グレイは今から6年前にオリオン帝国の滅亡を機に集団で肉体離脱を図っており、空港本部の横には約5万人分の屍(死体)が山積みに成っていて、その腐った肉体の残骸は今も残っており、過去の光景を彷彿とさせます。
 
 もし、生命体の裏空間搬送が可能になれば、我々民間人の移住者が最初に運ばれる土地はこのネユ基地です。ここを起点にして他の二箇所の基地(ネアとネオ)にも人員が配布される事になると思われます。合金製の住宅ですが、雨露を凌ぐ家と、電気設備や水道設備や下水設備や医療設備などのライフラインが完備されている限りは、そう簡単に移住者が全滅するとは考えられず、とにかく移住さえ出来れば龍神島民族の種は存続出来る筈だと踏んでおります。惑星バエルヤ内の移動は基本的に円盤移動ですが、銀河空間を走行しない限りは(ズイマ反電荷走行をしない限りは)、比較的安全な乗り物、この円盤で1万mの深海にも潜る事が出来ます。移住者は先ず円盤の操縦技術をマスターしなければ、ベテルギウスの科学文明を継承した事にはなりません。円盤が太陽系内から外空間へ出る場合は、今後は裏空間搬送という手段を用いて行く事になるし、また星間移動に関してはどうしても軍団のお世話を受けねばならない為に、移住者は軍団(神様)と共に一緒に歩む事になるでしょう。生身の人間生命が軍団の指示を仰ぐ場合は「デジタル魂通信法」を身に付けねばならず、その練習は必須課題となります。
 
 バエルヤのヨーロッパ大陸の西海岸の入江(フランスのボルドー付近に相当する)には「ネア基地」が存在しており、ここでは主に漁業を中心とした食料生産が行われていました。入江にはネア港があり、約60艘の漁船が停泊しています。港には大きな食料工場が存在し、その背後には約4万人規模のネアの住宅地が広がっています。住宅街の東側には空港が在って、また南側の平地には小規模ですが農園の耕作地も在ります。特徴的なのは地中海を挟んだアフリカ大陸(モロッコに相当)にバエルヤ全体の観光地が存在し、海岸線の素晴らしい光景が眺望出来るばかりか(遊覧船がある)、温泉場にはホテル(80部屋)などの宿泊施設が存在し、円盤が着陸出来る空港も完備されています。ネア基地内には四本の河川が流れており、丘陵地帯にはブドウ畑や小麦畑があって、ワインやウイスキーなどの酒造生産も行われていた様子です。グレイが酒を飲むとはビックリですが(ダダジ・グレイは酒禁制)、それがバエルヤ(食料基地)のセジス・グレイの特徴に他ならなく、ブドウ畑と小麦畑はネユ基地やネオ基地にも在ります。宇宙へ行っても酒が飲めるという、皆様にとってはまことに有難い話でしょうか。
 
 ネア基地の食糧生産は海産物一般であり、魚ばかりでは無く、エビやカニや貝類やウニなどの捕獲が行われており、いわゆる高級食材や珍味などを扱っていた様です。また採集して来た宝石類(ダイヤモンドやルビーやサファイア)の研磨などの装飾品加工も行われており、猿の身体に入っている身の上なのに装飾品など言語道断の話ですが、もともとはセジス民族も普通の人間、人間臭いのは仕方がない話でしょうか。グレイの軍隊制服に装飾品の記章を付けて階級差を示すのに用いていた様子ですが、その宝石の記章が家の記章にも発展し、家の玄関口にも階級を示す宝石装飾が施されていました。彼等がやっている事を見れば、やはり猿では無くただの人間の所業、宇宙広しといえども、人間のやる事は基本的に一緒だと痛感させられます。
 
 インドの西海岸の入江(パキスタンのカラチに相当)には「ネオ基地」が存在しており、ここでは主に家畜の肉を生産する業務が行われて来ました。入江に港は無く、海岸線から約2万4000人規模の街が奥に続いていて、街の北側には空港が在ります。また街の南側には小規模の農園もあり、また牛や豚や鹿などを飼育する家畜牧場があって、屠殺場と食肉加工施設が存在します。残念ながら牧場の家畜は既に死に絶えていますが、ここの工場もいずれは稼働させる必要があると思われます。これはインドだけの話ではありませんが、海辺には必ず製塩施設が在ります。天然の岩塩があちこちに一杯存在するのにと思ってしまいますが、彼等は岩塩を掘り出す様な重労働はしない様です。バエルヤの三基地はいずれも基本的に食料基地であって、プラスチック系の工業用品や電子部品(精密機器)などの生産所は主に銀河中心部の「キエ基地」だった様です。円盤などの製造所や修理工場もキエ基地が中心であり、バエルヤでは唯一ネユ基地に金属の精錬所が存在するだけです。
 
 
 
 
〈次元トンネル通路〉
 現在、ソロジン軍団は物質や生命体の裏空間搬送に取り組んでいますが、裏空間の物質還元特性が余りにも強烈である理由から、第三空間を利用した「第三空間搬送」も視野に入れて、様々な実験を繰り返しております。宇宙空間に関しては以前にも説明しましたが、我々が住む表空間を第一空間と称すれば、その裏空間とは第二空間と呼ばれております。それだけかと思ったら、第二空間の下には第三空間という表空間に近い異空間が存在しており、また更にその下には第三空間の裏空間とも言える第四空間なるものが存在していました。早い話が、一見宇宙空間は一枚岩の様に見えても、実際は四層構造を呈しており、二つの表空間と二つの裏空間からミイルフィーユ型に構成されている事になります。第一空間と第三空間は特性が大変良く似ており、また第二空間と第四空間もその特性(還元作用)が酷似しています。そこで裏空間(第二空間)を挟んでいる第一空間と第三空間を直接結ぶ「次元通路」を開発して、一般物質を第三空間搬送させるという手段を思い付きました。
 
 無論、次元通路と言っても、第一空間か第三空間のどちらかを伸ばして片方の空間に繋げるという意味であり、空間トンネルを作るという作業の事です。果たして空間領域を伸ばしたり縮めたりする事が出来るのかどうか、まだ試してはおりませんが、もしそれが可能であれば、裏空間を飛び越して安全な輸送が出来る事になります。想定としては地球空間と第三空間を結ぶ通路を切り開いて、更にバエルヤ空間と第三空間の通路を作れば、裏空間を経由しない状態で、物質の運搬が出来る事になります。これまで裏空間搬送を何度もチャレンジしましたが、溶けたり歪んだりしないパーフェクトな輸送には成功しておらず、輸送手段の抜本的な対策が必要であると感じていました。ダグレcomputerの解析によれば、第三空間を伸ばしたり縮めたりする事は不可能らしく、しかし第一空間は多次元空間であり柔軟性に富んでいる理由から、空間と空間を結ぶ次元トンネルの開設は決して不可能な話ではないという回答をもらっています。目下は研究中の段階でしょうか。
 
 これは戦闘経験に基づく実践知識ですが、磁気的な触手で空間を飛び越える様な真似は出来ませんが、マクロ体触手や、ハルク力体触手や、天体力体などの力学触手はいとも簡単に如何なる空間にも手を入れる事が出来ます。当然、我々が空間に手を入られるから物質搬送が可能であると言えます。敵軍の大半は第一空間以外に潜んでおり、我々は自身のマクロ体触手を使って敵を破壊しており、空間特性など全く無関係に毎日仕事をしています。従って、一般物質や生命体を空間移動させられないという事実には逆に驚いており、「そんな馬鹿な」と思ってしまいます。しかし現実は現実、受け入れざるを得ませんが、でも不可能である筈が無いと信じており、溶けない空間に作り変えれば良いとか、あるいは溶けない空間質膜で包めば良いとか、次元トンネルで結べば良いとか、試してみるべく手段が色々と思い浮かんで来ます。表空間と裏空間の物理的な背景を正しく把握出来れば空間を制する事が出来る筈だと、そう思ってたゆみない精進を重ね続けている毎日でしょうか。
 
 さて、四つの空間をミルフィーユの層だと表現しましたが、実際は表空間も裏空間も無限に近い広がりを呈しており、空間と空間の境目が存在する訳ではありません。裏空間に手を入れて直ぐに第三空間に手を入れられるから誠に不思議なものです。薄皮一枚で繋がっているという感じでしょうか。四つの空間は互いに小指の第一関節程度の距離で背中合わせに成っており、私はコンマ数秒間で第四空間へ手を入れる事が出来ます。地球の常識では決して考えられない現象ですが、それが現実だから受け入れるしか手がありません。そもそも大宇宙のケケ粒子の土塀の中でしか実体を囲えない運動宇宙、これより外に出た一般物質は裏空間の如く溶けてしまう運命なのです。更にその大宇宙内空間であっても、表空間が開けばそこは裏空間に他ならなく、表空間から出れば物質は溶けてしまう運命を辿るのです。外にも出られず、空間にも潜れない、そんな虚無の実相だからこそ、連中は危険な生命(人間)を生簀の中で創り上げたと考えられます。体は宇宙外に出られなくても、我々は自己の分身であるマクロ体で宇宙の敵と渡り合っているのです。
 
 この空間は人間を外に出さない為に仕掛けられた罠、だが罠だとすれば必ず解決策は見つかる筈です。空間のカラクリ構造の謎を解かなければ、我々には未来は無いと思っています。生身の人間を死に行く惑星から脱出させる事など簡単な話だったのに、幸か不幸か裏空間搬送しか手段が無くなってしまいました。そしてその課題はより根本的な問題へと進展して、人間の存在意味にも関わる極めて重要な局面に立たされる嵌めと成って来ました。我々としても、ここが勝負の時、龍神島民族をバエルヤに運べる運べないは、人類の未来を揺るがす大問題となりそうです。宇宙の敵は全力を挙げて脱出を阻止しようとして来ると考えられます。不可能を可能にする事に醍醐味があります。我々は人間王国の創造主ですが、創造主と言っても決して万能な存在ではなく、マクロ宇宙が相手では単なる修行僧に過ぎません。皆様と大差がありません。